JR東海、新幹線架線の着氷霜に起因するアーク発生抑える技術を開発

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着氷霜対策の仕組み

©JR東海

JR東海は2018年12月5日(水)、架線の着氷霜をリアルタイムで検知し、車両の加速を自動的に制限することで、大きなアークの発生を抑える技術を日本で初めて開発し、2018年度に試行すると発表しましました。

冬季期間、東海道新幹線の米原~京都間を中心とした区間では、架線に氷や霜が付着する着氷霜が発生した場合、運転士の操作によって、加速を制限して運転しています。これは、架線に氷や霜が付着していると、架線とパンタグラフが一時的に離れてしまうため、大きな電流を取り入れようとするとアークが発生し、パンタグラフが損傷してしまうトラブルを、防ぐための措置です。

現状は、係員が始発前の点検で着氷霜の発生を確認した場合、当該区間を含めた一定の区間で、加速を制限しています。しかし、点検後に稀に発生する着雪霜により、パンタグラフが損傷する恐れがあることや、長い区間で加速を制限するため、列車遅延につながるなどの課題がありました。

新たに開発する技術は、パンタグラフ状態監視システムの電流センサーを通じて、着氷霜によって生じる電流の乱れの有無を常時監視し、架線への着氷霜を検知した場合、車両が自動的に加速を制限し、架線から取り入れる電流を低減するというものです。

これにより、着氷霜の検知がリアルタイムで可能となり、パンタグラフの損傷リスクを低減できるほか、着氷霜区間のみに絞って加速を制限できるため、列車遅延を短縮できるメリットがあります。

JR東海では、2018年12月から2019年3月までの期間、N700Aタイプの10編成で、新技術の試行を実施し、2020年度の導入を目指すとしています。

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