東芝のグループ会社の東芝インフラシステムは2019年3月14日(木)、JR西日本が3月16日(土)から和歌山線、桜井線で運用を開始する227系1000番代向けに、3.3kV All-SiC(シリコンカーバイド)素子を適用した車両制御装置のほか、主電動機、デジタル伝送装置、空調装置などの電気品を納入したと発表しました。
車両制御装置は、2台の主電動機を駆動するVVVFインバーター装置と、空調などのサービス機器や、制御機器に電源を供給する補助電源装置で構成されています。JR西日本向けとしては、これまでも321系や225系用として、納入実績がありましたが、227系1000番代は、VVVFインバーター装置の素子を、従来のSi(シリコン)に代わりSiCを使っています。
All-SiC素子は、高温での動作が可能で、導通損失とスイッチング損失が少ないことなどが、特長として挙げられます。これらの特長を活用することにより、システムの高効率化を実現しています。あわせて、主電動機には高効率、省メンテナンス、低騒音の全閉式かご形三相誘導電動機を用いました。
東芝グループは、「東芝Nextプラン」を2018年11月に発表しており、この中でAll-SiC素子などパワーエレクトロニクス領域を成長事業と位置づけています。SiC素子は鉄道システムの省エネ化や装置の小型軽量化を実現できることから、今後の市場拡大が期待されているとしています。