「きかんしゃトーマス」は子供の成長に良い? 非認知能力が向上か

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「きかんしゃトーマス」の主題分析結果

©ソニー・クリエイティブプロダクツ

ソニー・クリエイティブプロダクツ(SCP)と東京学芸大こども未来研究所は2019年5月23日(木)、「きかんしゃトーマス」と非認知能力の関係について、検証した結果を発表しました。これはSCPがマスターライセンスを持つ「きかんしゃトーマス」の教育的効果を検討するため、2018年6月15日(金)から推進してきた共同研究プロジェクトの研究成果をまとめたものです。

この研究では、まず世界で着目されている「きかんしゃトーマス」の教育的効果について検証しました。2001年と2007年にイギリスの国立自閉症協会(The National Autistic Society)が実施した調査と、2009年にオーストラリア自閉症スペクトラム(ASPECT)が実施した調査した研究報告を調べ、自閉症児が「きかんしゃトーマス」を好む傾向になる理由と、「きかんしゃトーマス」の持つ特徴および教育的効果を整理しています。

「きかんしゃトーマス」のストーリーやキャラクターの特徴は、自閉症児にとって、「セキュリティ・ブランケット」となることや、正しさの価値観、数、言葉、色、表情、感情の理解を助け、社会性の発達、他者の行動を理解したり推測したりする心の理論の土台構築への貢献が期待できるとされています。「セキュリティ・ブランケット」は移行対象とも呼ばれ、母親の代理に乳幼児の不安やストレスを軽減し、落ち着かせるものを指します。また、「きかんしゃトーマス」から得た経験を子育てに活用していくことの有用性も示唆されています。

これらイギリスやオーストラリアの調査研究では、数、言葉、色の理解は認知能力と呼ばれるもので、それ以外を非認知能力としました。物事に集中して取り組むことや、難題に立ち向かうこと、主体性、自己肯定感を持つことなどが非認知能力とされています。

これらのことを踏まえ、CG版のアニメーションの分析、「きかんしゃトーマス」に興味のある子供の保護者を対象にしたインターネット調査、プラレールや木製レールシリーズの「きかんしゃトーマス」のおもちゃ、図鑑に触れる子供たちを調査しました。いずれの結果も、「きかんしゃトーマス」のストーリーやおもちゃなどに影響され、非認知能力が引き出されたり、高められたりする可能性が高いとの結論に達しています。

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