JAXA、「はやぶさ」技術を応用し列車運行の電力制御手法を開発 東急で走行試験

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試験走行に使用された東急5000系

©宇宙航空研究開発機構

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2017年9月12日(火)、鉄道総合技術研究所、東急テクノシステムと共同で開発している列車の「電力デマンド(電力需要)」制御技術について、基礎検証のため、東急電鉄の協力のもと列車走行試験を実施したと公表しました。

この共同研究は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」の技術に端を発した電力デマンド制御技術を、鉄道へ応用するもので、最終的には、運行ダイヤの遅延回復を効率的に行うことを目的とした手法です。

開発中の手法は、遅延回復時に各列車がより多くの電力を必要とするため、遅延量に応じて列車毎に優先度を設定、個別の上限を設定し、電力デマンドを独立かつ並列に分け合うことで、最も遅延の大きい列車を最優先にダイヤ回復ができます。

列車走行試験は、5月14日(日)、5月21日(日)、5月28日(日)の3日間の深夜時間帯に、田園都市線の長津田駅~中央林間駅で試験車両2編成を用いて実施されました。試験で使用されたのは、東急5000系の5120Fと5110Fです。

試験では、各列車がその時点までに影響を与えた電力デマンド量を、力行から惰行に移行する速度を積算して評価、その寄与に基づき、つきみ野変電所の総電力デマンド制御が試行されました。この結果、制御開始時刻から約30分間で、制限値付近まで電力デマンドを下げ、その後の約1時間で、電力デマンドを制限値付近で管理できることが実証されました。

JAXAは次回以降の試験において、今回確認した電力制御と、最終目的である遅延回復制御とを、同時に実証する予定です。

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