静岡県、リニア有識者会議めぐりJR東海社長の発言に抗議

ニュース画像:山梨リニア実験線 - 「静岡県、リニア有識者会議めぐりJR東海社長の発言に抗議」
山梨リニア実験線

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静岡県は、2020年4月27日(月)に開催された「第1回リニア中央新幹線静岡工区有識者会議」でJR東海の金子社長の発言に対し、抗議する声明を発表しました。

静岡県は、有識者会議で金子社長が「南アルプスの環境が重要であるからといって、あまりに高い要求を課して、それが達成できなければ、中央新幹線の着工も認められないというのは、法律の趣旨に反する扱いなのではないか」との発言を問題視し、県の環境影響評価事務の適正性を疑問視するJR東海は、リスク管理の重要性を未だに理解していないと反発しています。

金子社長は「静岡県のホームページでは、トンネル掘削箇所付近から100km程離れている大井川の中下流域までいかにも水路が存在しているような図が示されておりまして、これは上流部のトンネル掘削工事が中下流域の地下水の減少をもたらす仕組みが示されている」と発言したことに対し、「事実と異なるだけではなく、県が地下水の影響が中下流域に及ぶことを示すために意図的に作図した資料であるかのごとく印象づけるもの」と非難しています。

このほか、リスク評価を事業者が自ら整理すべきものを有識者会議に求め、「責任放棄」と批判しているほか、南アルプスの自然環境の特殊性や大井川の水資源の特殊性をまったく理解していないとコメントしています。

なお、今回の静岡県の抗議をめぐっては、鉄道局もJR東海に対し「あらためて本会議が円滑に進むよう、この会議の趣旨を踏まえて、説明責任者として真摯に対応されたい」と反省を促す声明を発表しています。

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