JR東日本は2020年10月6日(火)、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステム搭載の試験車両を日立製作所、トヨタ自動車と共同で開発すると発表しました。鉄道と自動車で培った技術を活用するハイブリッド車両です。
JR東は2019年に水素を燃料とする試験車両「FV-E991系」の計画を発表しており、3社は共同開発に合意しました。JR東日本は鉄道車両の設計・製造の技術、日立は鉄道用ハイブリッド駆動システムの技術、トヨタは燃料電池自動車や燃料電池バスの開発で培った燃料電池の技術を使い、自動車で実用化されている燃料電池を鉄道へ応用します。
自動車より大きな鉄道車両を駆動させるため、高出力な制御を目指したハイブリッド試験車両を実現します。車両形式のFV-E991系、2両1編成です。車両の最高速度は時速100キロメートル(km)、航続距離は最大でおよそ140kmです。試験区間は当初の想定通り、鶴見線、南武線尻手支線、南武線の尻手~武蔵中原間に変更はありません。
この車両の愛称は「HYBARI(ひばり)」とし、試験開始は2022年3月ごろです。愛称「HYBARI」は、「HY」に「水素(HYdrogen)」、「HYB」は「ハイブリッド(HYBrid)」の意味が込められ、「変革を起こす水素燃料電池と主回路用蓄電池ハイブリッドの先進鉄道車両」をイメージした名称です。
車両デザインは、燃料電池の化学反応から生まれる水を「碧いしぶき」と「大地を潤す」イメージを車両に描き、スピード感、未来感も表しています。ロゴは、鳥の「ひばり」が春の訪れを告げることで知られていることから、新しいエネルギーを吹き込むイメージが表現されています。