このご時世、今や当たり前となった「テレワーク」や「シェアオフィス」といえば、思いつくのは自宅やカフェでの作業だと思います。
無論私もその一人ですが、JR東日本が2020年11月27日(金)、28日(土)に「N’EX でテレワーク!」という臨時シェアオフィスの実証実験を行う、というニュースを耳にしました。
タイトルから、聞きなれないけれど、とっても興味深い響きに興味津々のレイルラボ編集部は、早速確認し予約をすることにしました。
「N’EX でテレワーク!」とは、同社が展開する、駅ナカシェアオフィス 「STATION WORK」の一環です。
通常の運用では使用されていない両国駅3番線臨時ホームに、コロナ禍で空港への需要が少なく運休を余儀なくされている「N’EX」こと、E259系特急車両「成田エクスプレス」を留置。
なんと車両丸ごと臨時シェアオフィスとして活用しようというJR東日本の新たな試みです。
そもそも、この実証実験を知るまで「STATION WORK」を詳しく知りませんでした。
駅ナカなどに設置されたブースは気づいていましたが、登録してみて驚いたのは、ホテルメッツなど、同社のグループホテルでもテレワークが可能だということ。
これはお昼寝もできてしまうのかと思いきや、ここは「お仕事の場」。部屋のベットなどのリネンやトイレなどの水回りは使用不可という徹底ぶりです。
予約受付開始の11月20日(金)12時、早速予約を試みるも、全く繋がらず。。。
本当に仕事場を探している人が多いのか、はたまた、興味本位で幻のホームでE259系に乗車したい鉄道ファンが多いのか(無論、私もその一人ですPart2)。
とにかく焦る思いを落ち着かせて粘ること約半日。無事、予約完了です。ホッと一安心と久々のN’EX乗車に胸が高鳴ります。
11月27日(金)10時。一張羅の「ヨ8000形」マスクを身にまとい、コロナ対策も万全に、いざ、両国駅へ向かいます。
RailLabニュース 国鉄貨物「ヨ8000形」マスク、購入・装着レポ はこちら
幻の3番線へは、赤い絨毯が敷かれたステーションギャラリーを通り向かいます。気分はもう、お城へ向かうシンデレラです。
受付を済ませ階段を登ると、いました!!今日の私のお城(オフィス)、E259系。
まずは写真撮影、やはり同じような方々が撮影に勤しんでいます。おっきなカメラで編成全体、車番などパシャパシャ。
みなさん、撮り方がついつい、ファンであることを証明してしまいます。共感ポイントが多く嬉しくなります。
座席は自由席とのことで真っ先に6号車のグリーン車を目指しましたが、みなさん考えることは同じでほぼいっぱいでした。
ということでお隣の5号車へ。こちらはとても余裕があり前後横ともに利用者はいません。早速座席に座り、PCを準備。
流石にテーブルは小さく少々位置どりに手惑います。しかし、運転していないので揺れることはなく快適です。3番線は他のホームより少し低い位置にあるので通過する総武線の車輪をじっくりと眺めることができます。
車内はとても静かで仕事が捗ります。PCをカタカタする音より、カメラをパシャパシャする音の方が多いような気がしますが、全く気になりません。
さて、気になる利用客層は?
ほぼ、男性です!年齢は20代から40代くらいでしょうか。
スーツを着られている方が意外と多いのですが、みなさん、大きめのバックと立派なカメラをお持ちです。
女性は確認できただけで私含め3名ほどでしょうか。やはり一生懸命撮影されていました。ということで、レイルラボ的実証実験は鉄道ファンが圧倒的多数?!と判断しました。
予約時間終了の12時。作業を終了し受付へ実証実験に関するアンケートを提出すると、係りの方から、N’EX ロゴ入りマルチクロスをいただきました。
約2時間の滞在でしたが、特急ならではの広さと、予約できる人数を制限している車内は、ソーシャルディスタンスのしっかり取れた安心で快適なシェアオフィスだと思います。
現在、各地で特急列車や観光列車が運休し、本来の業務につけない苦しい今、移動手段としてだけでなく、普段味わえない仕事場として十分利用できる車両の活用は、新しい生活様式、新しい形での活躍の場となれば嬉しいです。