JR北海道は2020年12月9日(水)、2021年春のダイヤ見直しの実施内容をまとめました。10月に発表済みの概要を元に検討が進められ、年間の経費節減は約5.5億円の見込みが示されましたが、今回の発表は6.2億円と削減額を増やしました。見直しは、主に4点です。
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(1)特急列車の減便、閑散期の曜日運休、減車による輸送力調整
(2)快速・普通列車の見直し、利用の少ない土休日の運休
(3)H100形電気式気動車投入による輸送改善
(4)利用の少ない駅の見直し
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特急列車は、改定前は定期86本でしたが、これを72本に絞ります。札幌〜函館間の「北斗」、札幌〜旭川間の「カムイ」・「ライラック」、旭川〜網走間の「大雪」、旭川〜稚内間の「サロベツ」が対象です。「北斗」はインバウンド客やビジネス利用の減少で大きく影響を受け、特に最終便の「北斗23号・24号」の利用が大きく減少しているため、夜間保守間合いの拡大も考慮して運転をやめます。
普通列車では、札幌圏で土休日は朝の通勤・通学利用が減少するものの、平日と同様の列車本数のため、土休日運休で輸送力を適正化します。札幌~新千歳空港方面の快速「エアポート」で6本、手稲方面~札幌~江別方面で5本、学園都市線で2本、計13本を土休日運休にします。札幌~手稲方面の3本、札幌~千歳方面の4本、計7本の運転も取りやめ、前後の列車を含めて運行時間を調整します。
営業運転を開始しているH100形電気式気動車は、新たに30両を加え、室蘭・宗谷・石北線に投入します。冷房化や低床化、車いすスペースや車いす対応洋式トイレを備えた車両で、乗車時の快適性が高まります。室蘭線では苫小牧~室蘭間の66本中43本、東室蘭~長万部間の全20本、宗谷線の旭川~名寄間の37本中34本、それぞれH100形で運転します。この車両の投入で、一部は所要時間が短くなります。
また、すでに発表の通り、18駅を廃止します。路線別には、函館線で1駅、宗谷線で12駅、石北線で4駅、釧網線で1駅です。さらに2021年度から、利用の少ない18駅を沿線自治体から駅管理の費用、人的な提供を得て維持管理する方式に移行します。根室線の音別駅は、無人化します。
■JR北海道の廃止・運営見直し駅一覧
<廃止駅>
函館線:伊納駅
宗谷線:南比布駅、北比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅
石北線:北日ノ出駅、将軍山駅、東雲駅、生野駅
釧網線:南斜里駅
<自治体による維持管理駅>
宗谷線:蘭留駅、塩狩駅、日進駅、智北駅、恩根内駅、天塩川温泉駅、咲来駅、筬島駅、佐久駅、歌内駅、問寒別駅、糠南駅、雄信内駅、南幌延駅、下沼駅、兜沼駅、抜海駅
石北線:瀬戸瀬駅
<無人化駅>
根室線:音別駅