E3系新幹線電車R19編成「現美新幹線」(GENBI SHINKANSEN)が2020年12月20日(日)をもって引退します。
運行開始から4年半、雪国新潟を駆け抜けた「走る美術館」が閉館を迎えるのを前に、レイルラボメンバーのみなさんから投稿された写真とともに振り返ります。
「現美新幹線」は2016年4月29日(金)に、JR東日本新潟支社の「のってたのしい列車」として、上越新幹線の越後湯沢〜新潟間で運行を開始しました。
外観は、写真家の蜷川実花(にながわみか)さんが黒を基調に、日本三大花火のひとつ、新潟県の「長岡の花火」をテーマにデザインしました。
「世界最速の芸術鑑賞」が売りの車内には、注目のアーティストがこの列車のために制作した現代アートが、各車両に展示されています。
車内には「romi-unie」のいがらしろみ氏が監修した地元の素材にこだわったスイーツと燕三条で人気の「ツバメコーヒー」監修のコーヒーなどを提供するカフェを併設。キッズスペースでは現代美術に直接触れることができるなど、沿線に広がる車窓とともに、様々な魅力が溢れる車両です。
今回、引退する「現美新幹線」は、2002年11月に製造され、秋田新幹線R19編成としてデビューしました。その後、先に観光列車仕様の700番台に改造された、山形新幹線R18編成「とれいゆつばさ」に続き、2016年に改造され新潟へ転属しました。
製造から18年、長い間様々な豪雪地帯を力強く走り続けてきました。
12月19日(土)に定期運用を終えたのち、12月20日(日)のツアー専用臨時列車としての運行が最後です。最終列車は、越後湯沢15時20分発、終点の新潟に16時14分着が見納めです。
現美新幹線は、オリジナル絵本やポストカードの配布、イラストパネルの設置、オリジナル商品の販売など、ラストランを盛り上げる企画を実施してきました。車内放送でも「ご乗車」ではなく「ご来場」という表現を使用し、おもてなしの心で優雅な旅の思い出づくりを行ってきた新潟新幹線運輸区「ラストランプロジェクト」の心意気が感じられます。
現美新幹線は「閉館~ラストラン~」まで、綺麗な花火を打ち上げながら走ります。