2020年も残りわずかとなりました。今年は世界中で流行している「新型コロナウィルス」感染症により鉄道業界も大きな影響を受けました。今までに経験のない状況の中、緊急事態宣言を受け移動の自粛や密を避けるため、時差通勤・テレワークなどの導入で利用客の大幅な減少に苦しみました。
しかし、暗い話ばかりではありません。2020年にも続々と新たな新型車両がデビューしました。レイルラボでは、そんな苦境の時代にも負けず運行を開始した人気の形式を紹介します。
■JR東日本E261系電車「サフィール踊り子」
2020年3月14日(土)にデビューした伊豆エリアで運行する車両です。車体の美しいブルーが特徴的で、英語で「サファイヤ」を意味するフランス語の「サフィール」から名付けられました。「大人のIZU 本物のIZU」をコンセプトに座席はオールグリーン車でゆとりある空間が広がります。また、個室も用意され、このご時世に気兼ねなく旅先までの鉄道旅を堪能できます。
■JR西日本271系電車「はるか」
関西空港アクセス列車の特急「はるか」用の増結車両として、2020年3月14日(土)にデビューしました。訪日外国人観光客の増加に伴い、「はるか」の利用客も増加していることから、281系の6両編成に増結し、9両編成での運転を開始しました。しかし、新型コロナウィルスの影響により空港利用者は激減し、9月1日(火)以降は再び281系6両編成での運用に戻り、271系はデビューからわずか半年足らずで運用を外れています。
■近鉄80000系電車「ひのとり」
大阪難波〜名古屋駅間と大阪難波〜奈良駅間の名阪特急「ひのとり」 は、2020年3月14日(土)に運転を開始しました。外観デザインは先進的でスピード感ある車体形状でそれを際立たせるメタリック塗装の鮮やかなレッドカラーが特徴的です。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトとし、日本で初めて全席にバックシェルを設置するなど、車内の居住性が大幅に向上しています。2020年度のグッドデザイン100にも選定されました。
■JR東海N700S新幹線電車
東海道新幹線を走るN700S新幹線電車は2020年7月1日に営業運転を開始しました。N700系から約13年ぶりのフルモデルチェンジです。すべての面で最高の車両であるとの意味を込めて「Supreme」(スプリーム)をコンセプトとし、車体には頭文字の「S」があしらわれています。車体はリサイクルアルミニウムを採用、停電の際は最低限の自力走行が可能です。車内は座席・リクライニングの改良や全席にコンセントを設置など、乗り心地を徹底的に追求しています。環境にも人にも優しい文字通り「最高の新幹線」です。
今年は、コロナの影響でデビューした新型車両に乗ることを諦めた方も多いと思います。しかし、2021年も続々と運行開始予定の車新型車両が控えています。早く事態が収束し、思いきり鉄道の旅を楽しめる日がくることを願うばかりです。