富士山にLRT「富士山登山鉄道構想」検討会で承認

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富士スバルライン上を走行するLRTイメージ

©富士山登山鉄道構想検討会

山梨県側の富士山麓から富士山5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」検討会の第2回総会が2021年2月8日(月)、東京の参議院議員会館とWEB会議で開催されました。会議では、富士山登山鉄道構想案について、委員からの承認を得て原案どおり決定されました。この原案では、富士スバルライン上へLRT(ライトレール:次世代型路面電車)を敷設する構想が最も優位性が高いと評価され、今後さらに構想を具体化していきます。

富士山は、2013年「信仰の対象と芸術の源泉」としてユネスコの世界遺産に登録されました。未来に受け継ぐべき「世界の宝」となり、国内外から多くの観光客や登山客が訪れ、⽇本を代表する観光地になっています。 その反面、観光客の集中での環境問題やオーバーツーリズムの問題が顕在化しています。

そこで、自動車から登山鉄道への転換、さらには富士山の豊かな自然や歴史・文化に向き合う機会を提供し、魅力を次世代へ継承しようという想いから「富士山登山鉄道構想」が検討されてきました。

LRTを軸に登山鉄道を整備した後は、緊急自動車等の許可車両以外の通行を規制します。また、既存の道路をそのまま活用することで、交通由来の環境負荷を大幅に削減できるとしています。さらに、夏季の週末に集中する来訪者需要を、四季を通じて分散するなど、富士山の抱える課題解決も見えてきます。

また、LRTは富士スバルライン上に敷設し、富士山の景観への影響や保守管理に配慮し、架線レス方式を基本に検討します。駅の配置は、起点の「山麓駅」と既存の駐車場空間の活用を前提とした「中間駅」、終点の「五合目駅」の配置を想定しています。 利用者数について、2020年に実施したアンケートから、往復運賃を10,000円とした場合には約300万⼈、20,000円とした場合には約100万⼈程度を見込んでいます。

「富士山登山鉄道構想」検討会は今後、事業スキームや事業運営者の想定、官⺠の役割分担や関係自治体への説明など、さらに議論を進めていく予定です。

期日: 2021/02/08から

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