踏切事故防止、運輸安全委員会が対策を啓発

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第1種、第3種、第4種各踏切について

©運輸安全委員会

運輸安全委員会は2021年2月16日(火)、「踏切事故を起こさないために」と題して、踏切事故防止対策の情報をとりまとめて公表しています。同委員会が調査した遮断機のない踏切での事故の発生状況や踏切に関するルールなどを紹介し、事業者・利用者双方での踏切事故を起こさないための啓発です。

2019年度の鉄道運転事故は615件発生し、そのうち踏切での事故は211件で鉄道運転事故全体の約34.3%と大きな割合を占めています。また、2014年4月から2020年3月までの、踏切事故のうち、踏切警報機はあり、踏切遮断機がない「第3種踏切」と踏切警報機及び踏切遮断機なしの「第4種踏切」での死亡事故が52件発生しており、55名の方が亡くなっています。踏切保安設備(踏切遮断機、踏切警報機)が整備されている「第1種踏切」と比較して、「第3種踏切」、「第4種踏切」での事故率が1.4倍と多く、事故の危険性が高くなっています。

この状況を考慮し、鉄道事業者と道路事業者は、高架化などで踏切の廃止、第1種踏切への格上げなどの取り組みが事故防止策として重要な検討材料となります。また、踏切利用者が安全に利用するため、利用する側の「とまれ、みよ、きけ」と言われる基本的なルールの徹底が必要です。特に踏切遮断機のない踏切では、列車が接近していないことを十分確認して横断することが求められます。歩行者も自動車同様、踏切の直前で一時停止するなど、踏切の安全な利用について周知、教育・再教育も有効と考えられます。

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