JR各社や大手私鉄などで2021年3月13日(土)、春のダイヤ改正が予定されています。今回のダイヤ改正は「新型コロナウイルス感染症拡大」という今までにない未曾有の事態の中で実施されます。改正での大きな変化は、多くの路線で実施される「終電時刻の繰り上げ」です。JR北海道内の駅廃止など、路線の動きについても紹介します。
コロナ禍で、人々の密集を避けるため、学校、企業などがオンライン授業やテレワークを導入し、鉄道利用需要が大幅に減少しました。この1年で社会の生活・行動様式は大きく変化し、特に深夜時間帯の利用が大きく落ち込み、しばらくこの状況が続くと想定されるため各社が「終電時刻の繰り上げ」に踏み切ります。
「終電時刻の繰り上げ」は、コロナ禍の影響に加え、近年の鉄道業界内の建設・保守作業に携わる人材不足への対応策でもあります。また、ホームドア設置などの安全対策にかかる工事は、深夜時間帯の作業に大きな負担が生じ、問題視されていました。今回のコロナ禍によって抱えていた保守作業にかかる課題解決が早まり、作業時間の確保や作業能率向上、工事期間短縮でコスト削減にもつながる見通しです。
3月13日(土)は、全国の路線で廃止となる駅、開業する駅など大きな動きが予定されています。
JR北海道管内では、函館線の伊納駅、宗谷線の南比布駅、北比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅、石北線の北日ノ出駅、将軍山駅、東雲駅、生野駅、釧網線の南斜里駅の全18駅が廃止になります。さらに利用の少ない18駅を沿線自治体の管理駅に移行、根室線の音別駅は、無人化されます。
このほか、主な開業・廃止を列挙すると、以下の動きがあります。
JR東日本奥羽本線では赤岩駅が廃止、秋田〜土崎間には泉外旭川駅が開業します。
秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の阿仁前田駅は仁前田温泉駅に改称します。
ひたちなか海浜鉄道港線、平磯〜磯崎間に美乃浜学園駅が開業します。
えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン、糸魚川〜梶屋敷間にはえちご押上ひすい海岸駅が開業します。
西武鉄道多摩湖線・山口線の遊園地西駅が西武園ゆうえんち駅へ、西武遊園地駅は多摩湖駅へ改称します。
土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線、球場前〜安芸間にあき総合病院前駅が開業します。
また、3月13日(土)以降も富山地方鉄道の新駅開業やJR北海道日高線の一部区間の廃線などが予定されています。