2021年4月19日(月)、神奈川県海老名市に小田急電鉄初の屋内常設展示施設「ロマンスカーミュージアム」がオープンします。これまでに引退した5形式のロマンスカーが初めて常設展示されるミュージアム内「ロマンスカーギャラリー」では、まるで検車庫の中を探検しているような雰囲気で、間近でロマンスカーを眺めたり、個性豊かな車両を見比べながら楽しむことができます。
ロマンスカーは小田急電鉄が運行する特急車両の名称です。歴史は長く、現在までに多くの車種がロマンスカーとして活躍してきました。今回ミュージアムに展示される形式は、小田急3000形電車「SE」から2013年まで活躍した小田急20000形電車「RSE」の5形式です。
また現在、小田急線内では、4形式の車両が現役で活躍しています。ここでは、引退した形式から現在活躍中のものまで9形式を紹介します。
オープンまで、あとわずかの「ロマンスカーミュージアム」に行く前に、ロマンスカーに乗った人も、乗ったことのない人も、歴代のロマンスカーをおさらいしてみてはいかがでしょうか?
【ロマンスカーミュージアムに展示される歴代ロマンスカー5種】
以下、展示される歴代ロマンスカー5形式を紹介します。これら5種類の車両は、すでに退役しており、ミュージアムでのみ見ることができます。
■小田急3000形電車「SE」(初代)
1957年に登場した形式です。全32両が製造され1992年に引退しました。Super Express「SE」という愛称が付けられました。
■小田急3100形電車「NSE」
1963年に登場した初の前面展望車です。7編成が製造され2000年に引退しました。New Super Express「NSE」の愛称をもち、1964年の第1回ブルーリボン賞を受賞しています。
■小田急7000形電車「LSE」
1980年に登場した形式です。4編成44両が製造され2018年に引退しました。Luxury Super Express「LSE」の愛称をもち、1981年の第24回ブルーリボン賞を受賞しています。
■小田急10000形電車「HiSE」
1987年に登場した形式です。4編成44両が製造され2012年に引退しました。High Super Express「HiSE」の愛称をもち、1988年の第31回ブルーリボン賞を受賞しています。
■小田急20000形電車「RSE」
1991年に登場した形式です。2編成14両が製造され2013年に引退しました。Resort Super Express「RSE」の愛称をもち、1992年の第35回ブルーリボン賞を受賞しています。
【現役で活躍するロマンスカー4種】
次に、現役で活躍している4形式を紹介します。
■小田急30000形電車「EXE」「EXEα」
1996年に登場した形式です。70両が製造されました。Excellent Express「EXE」(エクセ)の愛称が付けられています。ロマンスカーの中で最も座席定員が多いことから従来の観光目的だけでなくビジネス利用を意識した車両です。この形式からパンタグラフがシングルアーム形になりました。また、小田急の特急車両の中で唯一ブルーリボン賞を受賞していない車両です。
■小田急50000形電車「VSE」
2005年に登場した形式です。室内高を、従来のロマンスカーより45センチ高くし、居住性とともに、快適な乗り心地を向上させるさまざまな技術を採用しています。2編成20両が製造されました。Vault Super Express「VSE」の愛称をもち、2006年の第49回ブルーリボン賞の受賞をはじめ数々の賞を受賞しています。
■小田急60000形電車「MSE」
2008年に登場した形式です。42両が製造されました。Multi Super Express「MSE」の愛称をもち、2009年の第52回ブルーリボン賞を受賞しています。また、日本で初めて地下鉄を走る座席指定特急として、東京メトロ千代田線内に乗り入れました。
■小田急70000形電車「GSE」
2018年に登場したロマンスカーで最も新しい形式です。2編成14両が製造されています。Graceful Super Express「GSE」の愛称をもち、2019年の第62回ブルーリボン賞を受賞しています。前面窓に大型の1枚ガラスを使用し、先頭車両は荷棚を無くすことでよりダイナミックな眺望と開放的な空間が特徴です。
この機会に、ご家族や友人などとロマンスカーミュージアムで歴代の車両を見学し、移動は現役車両に乗車したり、1日ロマンスカーを満喫する旅をしてみるのもいいですね。