1989年5月20日、東武鉄道創立90周年記念事業として東京都墨田区の東武伊勢崎線(スカイツリーライン)東向島駅高架下に東武博物館がオープンしました。
博物館は、身近な交通機関である鉄道やバスに親しみ、理解を深めてもらえるよう東武鉄道の歴史や文化・役割を紹介しています。館内には、東武鉄道で実際に使われていた蒸気機関車や電気機関車、電車、バスの展示や電車・バスの運転シミュレータ、ジオラマなどが展示されています。施設の規模は小さめですが、見学するだけでなくいろいろ体感できる"ぎゅっと詰まった"東武博物館の人気スポットを4つご紹介します。
【東武鉄道開業時から活躍した懐かしい実物車両の展示】
東武鉄道開業時の1899(明治32)年から1965(昭和40)年まで活躍した5号・6号蒸気機関車は必見です。1960(昭和35)年から日光・鬼怒川温泉への特急電車として長く活躍し、1991(平成3)年に特急スペーシアへ世代交代して惜しまれながら引退した往年の名特急車1720系デラックスロマンスカーは、当時の姿そのままに保存されています。かつて日光を走った路面電車の日光軌道203号、明智平ロープウェイのゴンドラなどなかなかお目にかかれない珍しい車両も展示されています。
【電車やバスの運転を体験できるシミュレーション】
各地の鉄道博物館で人気のシミュレーターが東武博物館に全3台、そのうち2台はフルハイビジョン映像です。50050系車両のシミュレーションはワンハンドルの運転台で、本線、東上線ともに前方の風景を楽しみながら、運転体験ができます。追加料金なしで体験できるところも人気のひとつです。
【東武鉄道の一日を紹介する大パノラマショー】
関東平野をイメージした横14m、奥行き7mの大パノラマ。実物の運転台を操作して、選択した模型電車を自分で運転できます。コンピュータ制御された約180両の模型電車1/80(HOゲージ)がジオラマ内を走り、それぞれの車両の特徴や役割と、東武鉄道の一日を紹介しています。
【運行中の列車を下から眺められるウォッチングプロムナード】
博物館が東向島駅のホーム下に位置する「ウォッチングプロムナード」では、実際に走っている電車の車輪やモーター、ロングレールの伸縮継ぎ目などを至近距離から眺めることができます。通常は見ることが難しい電車下部を間近に見学できるスポットとして、子供から大人まで幅広く人気を集めています。スペーシアの車輪が見られるチャンスも?!
東武博物館は、「過去と未来をつなぐコミュニケーション・スクウェア」のコンセプト通り、幅広い世代で楽しむことのできる体験型のミュージアムです。都内に所在し、各所からのアクセスも良く下町観光にあわせ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
なお、東武博物館は2021年5月20日(木)現在、「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」の休業要請をうけ、当面の間、臨時休館しています。