600系じゃない!日本初オール2階建て新幹線デビュー、27年前の7/15

ニュース画像:上越新幹線「あさひ」時代のE1系(総武本線沿線のアラフォーさん撮影) - 「600系じゃない!日本初オール2階建て新幹線デビュー、27年前の7/15」
上越新幹線「あさひ」時代のE1系(総武本線沿線のアラフォーさん撮影)

©総武本線沿線のアラフォーさん

今から27年前の1994年7月15日、JR東日本E1系新幹線電車「Max」がデビューしました。日本初のオール2階建て新幹線は、当初「600系」となる予定でしたが、当時、JR東日本が形式の頭文字に「East」のEを冠するようになり、「E1系」となりました。のちに登場する2代目2階建て新幹線の「E4系」とともに、「Multi Amenity Express」を表す「Max」の愛称で親しまれました。

「E1系」は、東北・上越新幹線で通勤通学利用の需要増加に対応するために投入された車両です。1994年から1995年にかけて6編成72両が製造されました。オール2階建てになった上、自由席の2階座席を3+3席配置の6人掛けとし、座席数は1,235席、当時運用されていた「200系」に比べ約4割増と大幅に定員が増えました。

ニュース画像 1枚目:新幹線の防音壁を超えて存在感を放つ「E1系」(北東航1さん撮影)
新幹線の防音壁を超えて存在感を放つ「E1系」(北東航1さん撮影)

©北東航1さん

2階席は高架を走る新幹線では眺望がよく、子供から大人まで景色を楽しめることから人気を集めました。1階席は、駅では視界がホームと同位置になり、走行中はよりレールに近い感覚を味わうことができます。おすすめは冬、「E1系」は東北・上越新幹線の豪雪地帯を走行します。降り続く雪を溶かすための「スプリンクラー」が設置されている箇所では、水の勢いをダイレクトに感じることができました。

1999年12月のダイヤ改正で東北新幹線(大宮以北)での運用がなくなり、それまで仙台総合車両所(現在の新幹線総合車両センター)に所属していた「E1系」は、全て新潟新幹線第一運転所(現在の新潟新幹線車両センター)へ転属。これ以降、上越新幹線のみの運用となりました。

ニュース画像 2枚目:朱鷺色のピンクの帯を配したリニューアル塗装(ちっとろむさん撮影)
朱鷺色のピンクの帯を配したリニューアル塗装(ちっとろむさん撮影)

©ちっとろむさん

デビュー当時の車体塗装は、スカイグレーとシルバーグレーにピーコックグリーンの帯を配した淡いカラーが特徴的でした。2003年以降、内外装とも順次リニューアルを実施。車体の塗装は飛雲ホワイトと紫苑ブルーに新潟・佐渡の「トキの羽」を思わせる朱鷺色のピンクの帯を配したカラーに生まれ変わりました。

1997年以降に、より多くの座席数を誇る2代目2階建て新幹線の「E4系」が登場し、「E1系」の順次置き換えが進み、2012年10月に営業運転終了、12月に形式消滅しました。現在、ラストランに使用されたE1系「E153-104」が埼玉県大宮にある鉄道博物館に展示されています。乗務員室扉の横には、東日本大震災時のキャッチフレーズ「つなげよう、日本。」のステッカーが当時のまま貼られています。

ニュース画像 3枚目:鉄道博物館に展示されている「E153-104」(さんたかさん撮影)
鉄道博物館に展示されている「E153-104」(さんたかさん撮影)

©さんたかさん

2021年秋には2代目の「E4系」も引退予定、新幹線から2階建て「Max」が消える前に、最後の乗車を考えてみるのはいかがでしょうか?

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