ブルトレと一線を画すE26系「カシオペア」 22年前の7/16デビュー

ニュース画像:EF510形が牽引する「カシオペア」(Kazoo8021さん撮影) - 「ブルトレと一線を画すE26系「カシオペア」 22年前の7/16デビュー」
EF510形が牽引する「カシオペア」(Kazoo8021さん撮影)

©Kazoo8021さん

今から22年前の1999年7月16日、JR東日本E26系客車の寝台列車「カシオペア」が上野〜札幌間で運行を開始しました。それまでのブルートレインとは、見た目、設備とも一線を画し、現在のクルーズトレインの前身ともいえる豪華寝台特急として華々しくデビューを迎えました。

愛称「カシオペア」は、夜行列車をイメージできる星座「カシオペア」に由来。すでに運行していた北斗星を中心に「北斗七星」と対になり、一晩中北の空に輝く星座として名付けられました。車両は東京の尾久車両センターに1編成のみ在籍、現在はJR東日本管内で活躍しています。

ニュース画像 1枚目:ステンレスの車体が特徴的(りんたろうさん撮影)
ステンレスの車体が特徴的(りんたろうさん撮影)

©りんたろうさん

車両は、「快適空間を実現した寝台列車」をコンセプトに、JRグループ初のオール2階建の2人用A個室寝台列車として開発されました。寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両の12両編成で、客室は、1階が寝室・2階を居間としたメゾネットタイプと平家展望個室の「カシオペアスイート」、平屋タイプの「カシオペアデラックス」、スタンダードな「カシオペアツイン」で構成されています。

ニュース画像 2枚目:大きな窓のカシオペアスイート 展望室タイプ
大きな窓のカシオペアスイート 展望室タイプ

©JR東日本

中でも、平家展望個室の「カシオペアスイート」は1室しかないプレミアルームで、端の車両を利用した客室には大きな3面ガラスが設置され、移り変わる車窓や長く伸びたレールを眺めながら鉄道の旅を楽しむことができます。運行開始から運行終了まで発売開始時刻(10時打ち)で瞬時に売り切れるほどの人気を誇りました。

ニュース画像 3枚目:優雅なひととき 食堂車(ゆーやえきちょうさん撮影)
優雅なひととき 食堂車(ゆーやえきちょうさん撮影)

©ゆーやえきちょうさん

食堂車では、フランス料理のフルコースと懐石御膳が用意され、美味しい食事に舌鼓を打つ優雅なひとときを味わえます。また、大きな窓を配した開放的なラウンジカーでは、ゆっくりと読書をしたり、ただ車窓を眺めたりと、思い思いの時間を過ごすことができます。

ニュース画像 4枚目:和食の一例 (南方極星さん撮影)
和食の一例 (南方極星さん撮影)

©南方極星さん

ニュース画像 5枚目:ラウンジカー(ちゃぽんさん撮影)
ラウンジカー(ちゃぽんさん撮影)

©ちゃぽんさん

2015年3月に、これまで共に本州と北海道を結んできた「北斗星」が運行を終了し、「カシオペア」が唯一の寝台特急となった矢先、北海道新幹線の開通に伴い、青函トンネルの架線の昇圧で走行が難しくなることから2015年9月にJR東日本・JR北海道が運行終了を発表。2016年3月に「カシオペア」は廃止されました。

ニュース画像 6枚目:上越線の田園地帯を走行する「カシオペア紀行」(おなだいさん撮影)
上越線の田園地帯を走行する「カシオペア紀行」(おなだいさん撮影)

©おなだいさん

「カシオペア」は廃止後、架線昇圧後の青函トンネルの走行や運行管理システム等の対応としてJR貨物からEH800形電気機関車を借り受け、再び道内までの運行が可能となりました。同年6月からE26系客車はそのままに、列車名を「カシオペアクルーズ」・「カシオペア紀行」と名を変え団体専用列車での運行を再開しました。2021年現在、「カシオペア紀行」として東日本管内を周遊するツアーを開催しています。

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