今から103年前の1918年(大正7年)8月29日、日本初のケーブルカー「生駒鋼索鉄道(近鉄 生駒ケーブル)」が奈良県生駒山の鳥居前~宝山寺間で開業しました。日本初の営業用ケーブルカーが開業したこの日を記念して、毎年8月29日が「ケーブルカーの日」となりました。
生駒ケーブルは、鳥居前から生駒山上までの約2キロを結んでいます。生駒ケーブルには、他とは一線を画すバリエーション豊かなかわいい車両が走り、「生駒山上遊園地」への交通手段というより、それはまるで、すでに遊園地の中にいるような世界観で、子供から大人まで人気を集めています。
ケーブルカーは、急斜などの地形に対応でき、高低差のある場所や山岳地帯の鉄道として、北は北海道・青森から南は九州まで、全国各地22箇所の観光地などで多く利用されています。山岳地域などの急勾配の斜面を上り下りするために、接続したロープで車両を走行させる仕組みです。日本では、「鋼索鉄道」を「ケーブルカー」と称し、1本のロープの両端に車両がつながり、ロープを巻き上げ装置で動かすことで上下する方式が一般的です。
2021年8月現在、生駒ケーブルには3形式6種のケーブルカーが在籍しています。
■近鉄コ15形客車
音符で埋め尽くされたケーブルカー。オルガン型の「ドレミ」号はとってもポップで思わず歌いたくなる車両です。
あまい香りがしてきそうなケーブルカー。ケーキ型の「スイート」号はカラフルなデコレーションで食べたくなりそうな車両です。
■近鉄コ11形客車
ネコちゃんの形をしたケーブルカー「ミケ」号。お茶目な「ミケ」号の車内では「ねこふんじゃった」の音楽が流れます。
ワンちゃんの形をしたケーブルカー「ブル」号。車内では「ピクニック」の音楽が流れます。
■近鉄コ3形客車
車体がとってもレトロな雰囲気のケーブルカー「白樺」・「すずらん」号。生駒山をイメージして名付けられました。昭和28年に製造された、現役で使用されているケーブルカーで日本最古の車両です。
乗るだけでなく、すれ違う車両を見学するだけでも楽しい「生駒ケーブル」。ファミリー、友人、カップル、もちろん鉄道ファンも!みんなが幸せな気分になれるケーブルカーに会いに行ってみてはいかがでしょうか?