JR東海は2021年9月8日(水)、紀勢本線で電動式軌道自動自転車の性能確認試験を開始したと発表しました。軌道自動自転車とは、在来線において、線路設備等の保守・安全点検を行う際に線路上を走行させて使用する自転車のことです。環境に配慮した特性を持つ電動式軌道自動自転車の導入は、同社の地球環境保全をはじめとした持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環です。
同社で現在使用している従来型の軌道自動自転車は、ガソリンエンジンで走行します。これに対し、今回試験導入した電動式軌道自動自転車は、バッテリーからの電力により電動機を駆動させて走行するため、排気ガスを排出しません。現在同社が在来線部門で保有する全207台を電動式に取り替えた場合、年間約3.4トンのCO2を削減できます。
このほか、長騒音と振動が大幅に低減することで、指令所等との情報共有や、点検中の設備や沿線状況の変化を把握しやすくなります。また、ブレーキ時に発電する回生ブレーキ機構を有しており、走行距離を延ばすことができ、 エネルギーの有効活用と、使用バッテリーも国産電気自動車のバッテリー再利用で、資源を有効活用します。
今後、雨期、酷暑期、厳冬期などの走行性能、長期間の繰り返し使用による走行可能距離や使用可能時間への影響、回生ブレーキの走行距離延伸効果の確認などの検証を2022年3月まで実施予定します。