近畿日本鉄道は2021年9月28日(火)、運営する生駒鋼索線(生駒ケーブル)と生駒山上遊園地の大型遊具「飛行塔」が「土木学会選奨土木遺産」に認定されたと発表しました。私鉄が取り組む観光施策を辿る最古の施設として、歴史的土木建造物で保存に資するものと評価されました。生駒ケーブルは1918年(大正7年)8月29日に、鳥居前〜宝山寺間の宝山寺線が開業した日本で初めて運行を開始したケーブルカーです。開業したこの日を記念して、毎年8月29日は「ケーブルカーの日」となりました。
同時に認定を受けた大型遊具のある生駒山上遊園地が、生駒ケーブルの開業から11年後の1929年(昭和4年)に開業、合わせて宝山寺〜生駒山上間の山上線も運行を開始しました。戦時中には生駒山上に海軍基地が設置され、営業を休止した時期もありましたが、駅設備や車両等の更新・改良を重ねながら、今日まで営業を続けてきました。現在も、宝山寺や生駒山上遊園地の利用客はもちろん、通勤・通学といった生活路線としても利用されています。
生駒山上遊園地の飛行塔は1929年の開園当初から稼働していて、現存する日本最古の大型遊具といわれています。日本で数々の大型遊具を手がけた土井万蔵氏の代表作ともいわれ、同氏の作品で現存するものは、 この飛行塔のみです。
「土木学会選奨土木遺産」は、 公益社団法人土木学会が2000年から実施する認定制度です。土木遺産の顕彰を通じ、歴史的土木建造物の保存活動につなげています。