新潟鉄道発祥の地「直江津」にSLが走るテーマパーク、オープンからまもなく半年

ニュース画像:「直江津D51レールパーク」の顔 SL「D51 827」 - 「新潟鉄道発祥の地「直江津」にSLが走るテーマパーク、オープンからまもなく半年」
「直江津D51レールパーク」の顔 SL「D51 827」

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新潟県上越市のえちごトキめき鉄道「直江津D51(デゴイチ)レールパーク」が2021年4月29日にオープンし、10月に半年を迎えます。直江津駅南口から徒歩3分にあるテーマパークは、名前の通り「国鉄D51形蒸気機関車(SL)」を中心とした施設です。この場所は直江津機関庫として1894年8明治27年)に発足、電化前の1960年頃までは多くのSLが在籍しました。パーク内は新潟県鉄道発祥の地にタイムスリップしたかのように、「扇形車庫(機関庫)」や「転車台」が当時そのままに残っています。SLを知らない子供たちから、SLと共に育ったおじいちゃん・おばあちゃんまで幅広い世代を魅了する「直江津D51レールパーク」を紹介します。

「直江津D51レールパーク」の顔である、「D51 827」は1943年(昭和18年)に国鉄浜松工場で製造、主に岐阜県や長野県など中央線を走っていた車両です。1973年の引退後は、愛知県の鉄道愛好家が自宅で保管、その後大阪の企業「アチハ」が譲り受け、蒸気ではなくコンプレッサー(空気圧)で動くように改造し、和歌山県の有田川鉄道公園で保存されていました。この車両をえちごトキめき鉄道が5年間の期限付きで借り、長らく主が不在だった機関庫に迎えることとなりました。

ニュース画像 1枚目:「だるまストーブ」が設置された緩急車の車内
「だるまストーブ」が設置された緩急車の車内

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この「D51 827」は、実際にパーク内で乗車体験をすることができます。乗車するのはD51が牽引する「緩急車」と呼ばれる昔の貨物列車の車掌車2両です。中は当時そのままに、「だるまストーブ」も残されていました。コンプレッサーを使用した車両のため、長い距離を運行することや、営業線での運転はできませんが、パーク構内の線路を走行して、直江津駅付近まで乗車することができます。水蒸気を使用しないSLですが、煙突からは上がる煙はどことなく石炭を燃やして出ているような香りの演出もあり、その再現性の高さに驚かされます。パーク内へ戻ったD51は、車両と同じ長さの転車台にぴたりとおさまり、回転し機関庫まで戻る様子を見学することができ、まさにその姿は圧巻です。

ニュース画像 2枚目:回転する転車台にすっぽり収まる SL「D51 827」から機関士さんが手を振っています
回転する転車台にすっぽり収まる SL「D51 827」から機関士さんが手を振っています

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ニュース画像 3枚目:機関庫内に展示された413系と SL「D51 827」
機関庫内に展示された413系と SL「D51 827」

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国鉄時代からそのままの姿で残る「機関庫」には、国鉄413系電車と国鉄ワフ29500形客車の姿が。413系は、金沢地区で活躍し3月のダイヤ改正で運用を終了した元JR西日本の車両です。同社では4両を購入し、3両を観光列車として運行、1両を機関庫内で展示しています。展示されている車両には「越後」のヘッドマークが装着されています。車内前方は座席がそのまま残され、運転席にも自由に入ることができます。後方にはグッズショップが併設され、パーク限定のお土産や姉妹提携した銚子電鉄名物の「まずい棒」も販売しています。グッズショップでのおすすめは、1枚200円の来場記念硬券です。D51の写真が入ったレトロな硬券きっぷに、自分で改札鋏(ハサミ)を入れ、日付の押印を体験することができ、気分はもう駅員さんに。また、自動改札しか知らないお子さんも興味津々に体験を楽しんでいました。

ニュース画像 4枚目:自分で改札鋏(ハサミ)を入れることができる「硬券」
自分で改札鋏(ハサミ)を入れることができる「硬券」

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ニュース画像 5枚目:機関庫内に展示されている413系の運転台
機関庫内に展示されている413系の運転台

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ニュース画像 6枚目:国鉄直江津機関区時代そのままの庫内天井には石炭のすすの後らしきものが
国鉄直江津機関区時代そのままの庫内天井には石炭のすすの後らしきものが

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機関庫に展示されたもう1両の車両、国鉄ワフ29500形客車「ワフ29603 」と呼ばれる車両は、1955年から1961年にかけて製造された有蓋緩急車です。 この緩急車は日本の代表的な建築家、 清家清(せいけきよし)氏の自宅である東京都大田区で氏の書斎として愛用されていました。その後、D51 827とともに「アチハ」からトキ鉄へやってきました。車掌車として、書斎として、そしてレールパークで役割を変えながら、日本の鉄道の歴史を伝えています。

ニュース画像 7枚目:有蓋緩急車の国鉄ワフ29500形客車「ワフ29603 」
有蓋緩急車の国鉄ワフ29500形客車「ワフ29603 」

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パーク入場券には、「エンジョイ☆チケット」と呼ばれるチケットが付属されています。このチケットで体験できるのが「線路の石の缶詰体験」です。新潟県で最初に鉄道が開業した直江津~関山間。その関山駅で実際に何十年もの間鉄道を支えてきた線路の石を自分で選んで缶に詰める体験ができます。スタッフが丁寧に指導してくれるので誰でも簡単に缶詰を作ることができます。訪れた日の空気と共に詰めた缶詰、いつ開けるのか、開けないのかはあなた次第です。また、昔懐かしい「スマートボール」でも遊ぶことができ、穴に入った数に応じてトキ鉄グッズやお菓子やプラレールなどの景品と交換してもらえます。もちろんハズレなしです!

ニュース画像 8枚目:缶に「関山の石」を自分で詰めます
缶に「関山の石」を自分で詰めます

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ニュース画像 9枚目:日付入りのラベルをつけて「線路の石」の缶詰が完成です!
日付入りのラベルをつけて「線路の石」の缶詰が完成です!

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全国には大手鉄道会社が運営する大規模な博物館やミュージアムなどがたくさんあります。設備の整った館内にはシミュレーターや、映像展示、ジオラマ、カフェやなど興味を引くアトラクション目当てに多くの来場者が訪れます。今回紹介した「直江津D51レールパーク」は、そういったテーマパークとは一線を画し、鉄道のまちとして栄えた当時を過ごしてきた世代と、その後に生まれた鉄道のまちの活気を知らない世代をつなぐ場所だと思います。実際に動くSLに気軽に触れ、乗車することで一緒に体感して当時に想いを馳せることができる「直江津D51レールパーク」にご家族で訪れてみてはいかがでしょうか。

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    「直江津D51レールパーク」の顔 SL「D51 827」

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  • ニュース画像:機関庫内に展示されている413系の運転台

    機関庫内に展示されている413系の運転台

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  • ニュース画像:「だるまストーブ」が設置された緩急車の車内

    「だるまストーブ」が設置された緩急車の車内

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  • ニュース画像:回転する転車台にすっぽり収まる SL「D51 827」から機関士さんが手を振っています

    回転する転車台にすっぽり収まる SL「D51 827」から機関士さんが手を振っています

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  • ニュース画像:国鉄直江津機関区時代そのままの庫内天井には石炭のすすの後らしきものが

    国鉄直江津機関区時代そのままの庫内天井には石炭のすすの後らしきものが

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    機関庫内に展示された413系と SL「D51 827」

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  • ニュース画像:缶に「関山の石」を自分で詰めます

    缶に「関山の石」を自分で詰めます

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  • ニュース画像:有蓋緩急車の国鉄ワフ29500形客車「ワフ29603 」

    有蓋緩急車の国鉄ワフ29500形客車「ワフ29603 」

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  • ニュース画像:日付入りのラベルをつけて「線路の石」の缶詰が完成です!

    日付入りのラベルをつけて「線路の石」の缶詰が完成です!

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    自分で改札鋏(ハサミ)を入れることができる「硬券」

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