8年前の2013年10月15日、JR九州の「ななつ星 in 九州」がデビューしました。ブルートレインと呼ばれる寝台列車の時代が終焉を迎える中、日本初となる豪華寝台特急列車「クルーズトレイン」として華々しくデビューを果たした「ななつ星 in 九州」。「クルーズトレイン」という名の通り、九州7県それぞれの輝きや、地元の人々の輝く笑顔と温もりをつなぐ新しい旅の形を作った憧れの車両を紹介します。
「ななつ星 in 九州」(SEVEN STARS IN KYUSHU)の名の由来はまさしく「7」です。九州の7つの県と、自然・食・温泉・歴史文化・パワースポット・人情・列車の九州の主な7つの観光素材、7両編成の客車を表現しています。使用車両は、DF200形ディーゼル機関車「DF200-7000」が牽引する車の77系客車で、寝台車5両とダイニングカー、ラウンジカーの7両というまさに「7」が随所に散りばめらてれた列車です。
車両のデザインはJR九州のデザイン顧問の水戸岡鋭治氏が担当。客室は7号車のDX(デラックス)スイート2室と3〜6号車のスイート12室の全14室というなんとも贅沢な構成です。各部屋には、シャワー・トイレ・空調が完備され、まるで旅館のような高品質なやすらぎと最上級のおもてなしを体感することができます。特に「マイネフ77-7007」にあるDXスイート客室は広々とした優美な空間に、和を感じる家具や調度品が配置されています。極め付けは、最後尾の部屋のみの特権、壁一面の大きな1枚ガラス。この車窓からは九州の美しい景色と九州各地を結ぶ1本のレールを独り占めできます。
「ななつ星 in 九州」は、旅行商品として販売、4日をかけて、九州を周遊する車中2泊と、湯布院などの旅館へ1泊する3泊4日のコースと、車中に1泊するコースの2種が存在します。いずれも定期的にコースが変更されるため、毎回さまざまな九州各地の魅力を感じることができます。
気になる料金は、1泊2日のコースが2名1室で約30万台〜60万円台、3泊4日のコースでが2名1室で約80万円台〜100万円台というなかなか手の届かない価格設定となっています。しかし、いつかは乗りたい憧れの車両ということで、退職祝いや特別な記念日等で利用される方も多く、毎回予約抽選は高倍率となる人気ぶりです。なお、10月31日(日)まで、2022年春コースの予約申し込みを受け付けています。
九州7県を結ぶ3,000kmものレールを走りながら、匠の技と心が結集し、手間ひまかけて作られた世界にひとつだけの最上級の列車で、その土地を代表する食の匠が愛情を込めて手がける最高の料理。また、立ち寄った先での地域の人々からの心温まるおもてなし、そしてクルーとのふれあいなど、旅の一つひとつのめぐり逢いこそが、「ななつ星」最大の魅力です。単なる豪華列車の旅ではなく、旅の後もかけがえのない人生の糧となる経験ができる「新たな人生にめぐり逢う、旅」を人生の節目に、自分へのご褒美として、将来の憧れの旅の一つとして選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。
