屋根にカメラが50台!JR西、新型総合検測車「DEC741」導入 クモヤ443引退

ニュース画像:屋根上と側方用に50台の特殊なカメラを設置した電気設備撮像装置 - 「屋根にカメラが50台!JR西、新型総合検測車「DEC741」導入 クモヤ443引退」
屋根上と側方用に50台の特殊なカメラを設置した電気設備撮像装置

©JR西日本

R西日本は2021年10月27日(水)、新型の総合検測車「DEC741」を導入すると発表しました。「DEC741」は従来の架線検測装置に加え、現在、人が現地で実施している地上検査を車上化するための各種装置を搭載した総合検測車で、屋根と側面には50台ものカメラを搭載しています。新型の総合検測車の導入に伴い、これまで国鉄時代から活躍してきた「国鉄443系電車 クモヤ443系」と置き換えます。

ニュース画像 1枚目:JR西日本の新型総合検測車「DEC741」
JR西日本の新型総合検測車「DEC741」

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「DEC741」は2両1編成で11月に落成予定です。2020年6月に導入した「DEC700形電気式気動車」と同じ走行システムを採用、非電化区間も含めたJR西日本管内の在来線全線区とJR四国、JR九州、IRいしかわ、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道、肥薩おれんじ鉄道、WILLER TRAINSでも走行可能です。

車両には、新たな検測装置として「電気設備診断システム」を搭載します。屋根上と側方用に50台の特殊なカメラを設置、電柱・信号機・ がいしなど約100種の設備を広範囲にわたって様々な角度から撮影できます。カメラは沿線の環境に配慮した特殊な照明を採用することで、トンネル内や夜間など暗所の撮影も可能です。

また、「電気設備測定装置」を設置、架線周り用に4台のカメラを設置し、従来の架線検測装置は測定できなかった架線相互の高低差や離れの測定が可能になります。さらに、国内の鉄道事業者で初めて車上から広範囲に設備データを取得することが可能な「AI画像解析装置」を車両に搭載しました。このAI画像解析装置により、検査対象の設備を抽出、良否判定を行うことができ、車上から地上検査が実現できます。

ニュース画像 2枚目:電気設備測定装置
電気設備測定装置

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「DEC741」は今後2022年4月から架線検測装置の運用を開始し、2025年度からは人が目視で実施している電気設備の地上検査の車上化を目指します。車上化により、現地での目視検査が減少するため、触車、感電、墜落等の重大労災リスクの低減、IoTインフラネットワーク活用などと併せ、2030年までには鉄道設備の検査業務の約1割削減を目指します。

ニュース画像 3枚目:クモヤ443系の魂を受け継ぎます 2021年7月撮影(城國 燕さん撮影)
クモヤ443系の魂を受け継ぎます 2021年7月撮影(城國 燕さん撮影)

©城國 燕さん

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