2024年春に延伸開業を予定する北陸新幹線・金沢〜敦賀間の最終地点となる「敦賀車両基地(仮称)」の建設現場が、2021年11月7日(日)に福井県民限定で公開されました。テーマカラーは4つの「ブルー」という車両基地の現在の姿と、見学会の様子を紹介します。
JR西日本の敦賀車両基地(仮称)は敦賀駅から南へ回送線を通った約2キロほどの地点に位置します。基地のコンセプトカラーはブルー。全体はホワイトとグレーを使用しスタイリッシュに、差し色となるブルーには4つの思いが込められています。北陸新幹線の車両W7系「かがやき」、「JR西日本」のコーポレートカラー、お膝元敦賀市の「市章」、そして、北陸のハワイとも称される美しい海に浮かぶ無人島「水島」をイメージしています。当日は基地内の総合事務所屋上から、敦賀駅まで続く高架橋とともに、その美しい島の姿を望むことができました。
建物の延床面積は約37,000平方メートルで、2日に1度実施する仕業検査を行う「仕業検査庫」3線と「着発収容庫」が7線あり、10編成分が収まる形です。なお、交番検査・台車検査・全般検査等の大掛かりな検査は石川県の白山総合車両所で実施されます。また、雪国であるこの地域では、多い時には100センチを超える積雪と海からの厳しい風で線路の着雪や凍結が発生することも。そこで基地内に設置される消雪基地で水を温め、温水を線路へ送り込みスプリンクラーで散布し雪を溶かします。
今回の見学会には地元住民250名が参加、応募総数は600名近くあり、開業後はなかなか入ることのできない基地見学とあって、県民の関心の高さが伺えます。参加者の多くは親子連れで、県の担当者の説明に熱心に耳を傾けていました。小学生の男の子と父親に話を伺ったところ、「新幹線の開業で福井県にたくさんの観光客が来て欲しい」と期待する声が聞かれました。
北陸新幹線延伸開業まで約2年半。基地内には、まだレールが敷設されていないものの、工事の進捗率は約80パーセントと順調に進んでいます。各停車駅の駅舎工事も着々と準備が進み、全景が見えてきた今、開業への期待がますます高まります。かつて、日本海側で最初に鉄道が走り、ヨーロッパまで繋がっていた、港と鉄道の街「敦賀」。新幹線開業で、新たな鉄道の歴史が刻まれていきます。