JR東海、新幹線向け「新型レール削正車」2023年に2編成導入予定

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新幹線向け「新型レール削正車」左が現行、右が新型

©JR東海

JR東海は2023年1月以降、新幹線用の新型レール削正車を2編成導入する予定です。削正能力に優れ、かつ環境に優しい設計の新型車両の導入で、コストの大幅な削減に寄与します。

「レール削正車」は、定期的にレールの表面を削り、状態を整えることでレールの傷の発生を抑える大型保守用車両です。車体下部に、高速回転する複数の砥石を搭載、走行しながらレールの表面を削ります。列車本数が多い東海道新幹線では、列車が走らない夜間の時間帯にレールを削る作業を実施しています。

導入予定の新型レール削正車は、現行と同じくスイスに本社を置くスペノ・インターナショナル製の車両です。レールの断面を測定し、その形状に応じて砥石の圧力と角度を自動的に調整する「削正支援システム」を国内で初めて搭載。砥石の個別調整機能を追加したことで、1区間の作業がこれまで4工程(2往復)が必要だったところ、3工程(1.5往復)に短縮できます。削正能力も現行の時速6キロメートルから8キロメートル程度に向上します。

また、これまで擦り減って交換限度に達した砥石は、作業前に新品に交換していましたが、新型車両では作業中に交換限度に達した砥石を検知し、個別に停止できる機能を搭載。作業後に必要な砥石のみ交換できるようになります。

レール削正車に故障が発生した際、これまでは警告のみの表示でしたが、新型は運転台に詳細な故障内容が表示されるようになります。故障内容を把握して迅速な処置を講じ、速やかな復旧が可能になり、始発列車の運行に影響が生じるリスクを低減できます。

新型車両導入で、交換されるレールは年間約15t(トン)削減され、10年間で約2億円、また砥石の廃棄量が年間約5トン削減され、10年間で約7億円と、合計約9億円のコスト削減が見込まれています。

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