バイオディーゼル燃料走行試験を開始する「HC85系」2020年2月撮影(おなだいさん撮影)
JR東海は2022年1月19日(水)、在来線の新型特急車両「HC85系」の試験走行車で、ユーグレナ社が開発・販売する次世代バイオディーゼル燃料の試験を実施すると発表しました。従来、在来線のディーゼル車両で燃料として使用している軽油をバイオ燃料に置き換え、化石燃料の使用を減らし、運行に伴う地球環境への負荷を低減することが可能となります。
「HC85系」は、キハ85系気動車の置き換えのためにJR東海が開発した新型の特急車両です。エンジンで発電した電力とバッテリーに貯めた電力を使用してモータを駆動するハイブリッド方式のディーゼルカーです。
試験は、次世代バイオディーゼル燃料がエンジンの性能に与える影響を確認します。また、実際の車両を用いた走行試験で、従来の軽油と同様に次世代バイオディーゼル燃料の実用性を検証します。バイオ燃料は燃焼すると軽油と同じようにCO2を排出しますが、バイオマス(生物資源)原料が成長過程での光合成により、大気中のCO2を吸収します。このため、燃焼時のCO2排出は実質ゼロと考えられています。
今後の試験スケジュールは、1月下旬からエンジン単体の試験、2月上旬に名古屋車両区構内で走行試験、2月中旬から下旬にかけて紀勢本線で本線走行試験を行います。
バイオ燃料による地球環境負荷の低減
