2005年1月29日、名鉄2000系電車「ミュースカイ」が空港線の全線開業に合わせデビューしました。「ミュースカイ」は同年2月17日開業の愛知県常滑市にある中部国際空港(セントレア)へのアクセス用特急車両として、セントレア開港前に一足早く運行を開始しました。
これまで、主にポケットモンスター劇場版の公開に合わせ、ポケモンのキャラクターが描かれたラッピング車両や、2020年には「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開に合わせ、エヴァ初号機をイメージした紫色にラッピングした車両も登場。空港利用者はもちろん、沿線の子どもたちにも人気の車両です。
2000系は日本車輌で製造され、2022年現在、4両12編成の計48両が運用されています。愛称の「ミュースカイ」は、一般公募で選ばれたもので、名鉄の「M」と、名鉄特急特別車の愛称「μ(ミュー)」、空港をイメージする「sky(スカイ)」を組み合わせて名付けられました。
車体外観は海上空港へ向かう特急車として、「空と海」の爽快なイメージから連想する「青と白と水の透明感」がコンセプト。車両前面をポリカーボネートで覆い透明感を持たせ、インパクトを与えるデザインです。空港へのアクセス特急であることが一目で分かるよう、空港の愛称「centrair(セントレア)」のロゴを随所に掲出しています。
また、曲線通過速度の向上を図るため、空気バネによる車体傾斜制御装置を採用、乗り心地の改善を図り、名古屋〜空港間を最速28分で結びます。
車内は、空港へのアクセス専用車両というだけあり、客室内の通路両側には荷物コーナを設置、大きな荷物と共に移動する際も安心です。座席は全車両・全ての座席が特別車仕様で、1999年に登場した名鉄1600系「パノラマsuper」より幅を広げた回転リクライニング腰掛を採用し、ゆったりと座ることができます。
2000系「ミュースカイ」は2005年(平成17年)10月にグッドデザイン賞、翌2006年(平成18年)6月には鉄道友の会のローレル賞を受賞しています。
新型コロナウイルス感染症に伴う旅客需要の減少等に伴い、2022年1月現在、ミュースカイは日中から夕方にかけての時間帯で平日26本、土・休日34本を運休しています。国際空港のアクセス特急という性格から、減便を回避することは難しい状況ですが、空港利用だけでなく、鉄道ファンがミュースカイを楽しむ特別ツアーも販売されています。珍しい区間を走行するプランなどもあるので、こんな時期だからこそ乗車だけを満喫する旅をしてみてはいかがでしょうか。