えちぜん鉄道の古参「ML521」除雪車、福井の足を支え続ける

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製造70年超え現役で活躍する「ML521形」

©RailLab ニュース

2022年2月、日本海側の北陸地方では大雪に見舞われている地域が多くあります。豪雪となる各地の鉄道会社では、日々、除雪作業に尽力しています。その際に活躍するのが、「除雪車」や「ラッセル車」です。福井県福井市のえちぜん鉄道には「ML521形電気機関車」という除雪車が在籍しています。この車両は、前身の京福電気鉄道時代から活躍する古参の機関車で、製製造から70年を超えてもなお現役です。えちぜん鉄道には、現在、除雪と排雪が可能な「MCR」と呼ばれる軌道モータカーロータリーも在籍しています。世代が大きく異なる新旧の除雪車。この車両の運用法についてえちぜん鉄道に伺いました。

ニュース画像 1枚目:「ML521形」今年も福井の足を影で支えます
「ML521形」今年も福井の足を影で支えます

©えちぜん鉄道

ML521形気機関車について

ML521形は1949年に製造された凸型機関車です。もとは京福電気鉄道テキ521形電気機関車として貨物輸送を担ってきました。2003年、えちぜん鉄道移管後には、2両の「521」「522」を永久連結改造を施し、両先頭に除雪装置を設置、除雪専用車となりました。

ニュース画像 2枚目:永久連結前の1988年当時の様子(norikadさん撮影)
永久連結前の1988年当時の様子(norikadさん撮影)

©norikadさん

ML521・MCR そもそも、運用の違いはあるの?

福井県の降雪回数は例年に比べ多いものの、降雪量は例年と同程度とのこと。こういった状況の場合、活躍するのが「ML521」です。日中でも営業列車を運休することなく、除雪作業をできることが1番の強みでしょう。しかし「ML521」は、大雪時の積雪には対応することはできません。MCRロータリー車は、こうした大雪の際に本領を発揮します。MCRを使用する場合、線路閉鎖(線閉)を実施して作業にあたる必要があるため、基本的に営業時間外の夜間などに運用されます。また、作業には多くの要員が必要になり、気軽に使用することは難しい車両です。

ニュース画像 3枚目:MCRロータリー車
MCRロータリー車

©えちぜん鉄道

このように一長一短のある両車ですが、それぞれが補い合いながら作業を実施しています。雪解けの春はまだまだ先の北陸・えち鉄三国芦原線と勝山永平寺線で、今日も列車の運行を陰ながら支えています。

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