小田急50000形電車の特急ロマンスカーVSEが2022年3月11日(金)をもって、定期運行を終了しました。最終列車は「ホームウェイ87号」、新宿を定刻の21時20分に出発し、終点の藤沢に22時18分に到着、多くのファンに惜しまれながら17年という若さで定期運用を終えました。
50000形は2005年3月にデビュー、車両の愛称Vault Super Express「VSE」です。富士山に積もった雪のような真っ白な車体には、特急ロマンスカーが代々継承してきたカラー「バーミリオン・オレンジ」の帯を配しました。柔らかな流線型の車体正面、そして連接台車を採用し車両のデザイン性と機能性を高め、ロマンスカーの伝統と魅力をモダンに昇華させた美しいフォルムに仕上がっています。
車内は、室内高を従来のロマンスカーより45センチ高くし、天井もドーム型に、ファブリックも落ち着いたモダンな印象で、居住性と、快適な乗り心地を実感できました。ロマンスカーの特徴である展望席は、窓枠のない超大型3次元フロントガラスを採用。広々とした空間から眺める車窓は、まるで1枚の景色を切り取ったかのような格別な気分を味わうことができました。VSEは2編成20両が製造され、2006年の第49回ブルーリボン賞の受賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。
約17年の間、2編成で延べ600万キロ超を走行、約2,000万人が乗車を楽しんだVSE。今後、2023年秋頃に正式に引退を迎える予定で、これまでの間、ツアーなどの団体専用臨時列車等で運行される予定です。