JR西、1日2,000人未満の赤字ローカル線17路線30区間の利用状況公表

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在来線 線区別利用状況 2019年度実績

©JR西日本

JR西日本は2022年4月11日(月)、ローカル線に関する課題認識と情報開示について発表しました。この中で、2019年度の輸送密度(平均通過人員)が、1日あたり2,000人未満の管内の路線全17路線30区間を公表し、国鉄分割民営化後のJR発足から35年で、多くの路線で赤字が発生する厳しい現状が明らかになりました。

JR西日本発足の1987年からコロナ前の2019年までの線区別の利用状況の推移では、1987年に最も利用者が多かった山陰線 城崎温泉~浜坂間が4,966人から2019年は693人へ、浜坂~鳥取間は4,878人から921人へ減少。関西線 亀山~加茂間や紀勢線 新宮~白浜間でも4,000人台から1,000人台と4分の1に減少しています。また、2月に沿線自治体との協議開始を発表した大糸線 南小谷~糸魚川間では987人から102人と10分の1に減少。公表された全路線のうち、旅客数が多くても1987年比50%、最も少ないとわずか2%に留まりました。

また、100円の収入を得るためにかかる費用を表す収支率で最も厳しかったのは、芸備線 東城~備後落合間で、収益率は0.4%と、100円を稼ぐために26,906円かかる計算です。2023年度をもって運行終了が発表された「奥出雲おろち号」が走る木次線でも、出雲横田~備後落合間は収益率1.2%、100円を稼ぐために8,119円がかかります。

同社は今後、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画して、各路線の地域の特性や移動ニーズをふまえ、沿線自治体と課題を共有します。さらに、鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保を議論、検討する考えです。JR西日本グループ全体では、地域共生企業を目指し、地域交通の分野だけでなく、持続可能な地域社会の実現に向けて地域課題の解決や地域活性化に取り組みます。

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