JR東日本の「SLばんえつ物語」が2022年4月29日に、1999年のデビューから23周年を迎えます。貴婦人と呼ばれる国鉄C57形蒸気機関車「C57 180」号機が、レトロでかわいい国鉄12系客車7両を牽引し、今年も「森と水とロマンの鉄道」磐越西線の新津から会津若松を駆け抜けます。
「SLばんえつ物語」として使用される「C57 180」は、1946(昭和21)年に三菱重工で製造されました。初期配置は新潟県機関区へ、その後、新津機関区へ転属、羽越本線・磐越西線・信越本線と、廃止となる1969(昭和44)年まで新潟県内で活躍しました。廃車後は新津市立新津第一小学校の校庭の磐越西線側に静態保存され、地元市民の有志や小学生が定期的に清掃をし、大切に保存されてきました。
その後、「鉄道のまち新津」の活気を取り戻すため1997年に地域の有志により「SL・C57 180号を走らせる会」が結成され、1998年から復元修理作業を開始。廃止から30年後の1999年に車籍を復活させ、ついに「SLばんえつ物語」として再び走り出しました。SLが日本の原風景をそのままに残す磐越西線を走る姿はまるで当時にタイムスリップしたかのようです。
車内は子どもが楽しめる1号車のフリースペース「オコジョルーム」や4号車には記念スタンプ・車内からハガキを出すことのできるポストのある展望車、7号車のグリーン車にはパノラマ展望室も設置し、開放感を味わうことができます。
おすすめは、給水作業とメンテナンスのため約15分間停車を行う途中の津川駅です。ホームには「SLばんえつ物語」のキャラクター「オコジロウ」のいえがあり、子どもたちに大人気です。さらにSLとの記念撮影や貴重な石炭補充や給水作業風景を見ることができます。
「SLばんえつ物語」は2022年4月から9月まで、土日祝日を中心に新津〜会津若松間を1日1往復運転しています。SLばんえつ物語は全車指定席の快速列車です。乗車券のほかに指定席券が必要です。
なお、2022年秋から2023年夏頃までの間、車両の定期検査・整備を計画しているため、定期運行を実施しない予定です。