富山県黒部市の黒部峡谷鉄道は2022年5月4日に、設立から51周年を迎えます。半世紀を迎える今年も4月27日から宇奈月~笠平間(約7km)で今シーズンの「トロッコ電車」の運行をスタートしました。北アルプスを流れる黒部川の峡谷に沿って、風光明媚な絶景を電気機関車の牽引でゆっくりと進む「黒部峡谷トロッコ電車」を紹介します。
黒部峡谷鉄道 本線は、宇奈月から欅平までを結ぶ全長約20.1kmの路線です。車両が走る線路は特殊狭軌線(ナローゲージ)と呼ばれる762mm幅で運行しています。日本では1,067mmの線路幅が一般的で、ナローゲージを採用しているのは黒部峡谷鉄道と四日市あすなろう鉄道 内部・八王子線、三岐鉄道 北勢線の3社のみです。
トロッコ電車は、開放感を味わえる「普通客車(オープン型)」と少し肌寒い時期にも安心の「リラックス客車(窓付)」の2種の客車タイプがあります。このトロッコを牽引する電気機関車は、古参車から新しいものまでバリエーションも豊かです。主な機関車を紹介します。
「EDR形電気機関車」「EDM形電気機関車」
黒部峡谷を走る主力の電気機関車で、通常は2両を連結し、重連で運行します。
「ED形電気機関車」
1935(昭和10)年から今も現役で活躍する電気機関車です。主に欅平で入換用として運行していましたが、2015年からは黒部峡谷パノラマ展望ツアーでも使用されています。
「EDV形電気機関車」
2012年に登場した電気機関車です。省エネ対策にも優れた機関車で現在4両が活躍しています。
春の残雪と新緑、夏の涼しい風、秋の紅葉など、四季折々の日本の美しい季節を肌で体感することができる「黒部峡谷鉄道」。宇奈月~欅平間の全線運転開始は5月26日(木)から、シーズン終了の11月30日(水)まで楽しむことができます。これからますます暑くなる季節、爽やかな緑の風を味わいに夏休みのお出かけなど、計画を立ててみてはいかがでしょうか?