近畿日本鉄道は2022年5月23日(月)、可動式第三軌条用集電装置の試作品が完成し、各種試験に着手することを発表しました。新たな装置によって、異なる集電方式の路線の行き来が可能となり、統合型リゾート(IR)の整備が計画されている夢洲(ゆめしま)から、近鉄沿線各地へ直通列車の運行実現に近づきます。
現在、夢洲への延伸工事が進む大阪メトロ中央線・けいはんな線と、奈良線とでは、集電方式 が異なることから、直通列車は両方の集電方式に対応する必要があります。開発中の「可動式第三軌条用集電装置」は、近鉄 奈良線などのパンタグラフを使用する架空電車線内において、走行に支障する集電靴を、折り畳んで収納することができます。また、大阪メトロ中央線・近鉄 けいはんな線で使用される第三軌条用集電区間では、この装置を用いて集電します。
近鉄は、名阪特急「ひのとり」「しまかぜ」「青の交響曲」「あをによし」など、各方面へ魅力ある観光特急を導入するなど、観光需要の創出に力を入れています。
国内外から多くの利用が期待される夢洲統合型リゾート(IR)整備の計画により、同社路線を結ぶ直通列車を実現し、夢洲から沿線各地に誘客することで、さらなる沿線地域の観光振興を図る考えです。