鉄道友の会は2022年5月26日(木)、2022年の「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」の受賞車両を決定しました。このうちブルーリボン賞は、「京急1000形電車1890番台」が、ローレル賞は「東京メトロ17000系・18000系電車」と「京阪3000系電車3850形」が受賞しました。
■ブルーリボン賞「京急1000形電車1890番台」
ブルーリボン賞を受賞した「京急1000形電車1890番台(新1000形)」は、2021年5月に20次車としてデビューした車両です。京急初となるロング/クロスシートに転換可能な「デュアルシート」を採用し、通常の運用と貸切運行や観光用など、フレキシブルに対応が可能です。また、2021年12月には応募総数3,000件を超える中から選ばれた愛称「Le Ciel(ル・シエル)」が発表されました。
鉄道友の会は、チャレンジングな姿勢と堅実性を兼ねそろえたトータルバランスに優れた車両であり、多くの会員の支持を集めたことが受賞の選定理由としています。
■ローレル賞「東京メトロ17000系・18000系電車」
ローレル賞を受賞した「東京メトロ17000系・18000系電車」は、それぞれ有楽町線・副都心線と、半蔵門線向けの車両です。両形式ともに車両の床面高さを低くし、車両とホームの段差を低減、全車両にフリースペースの設置するなどバリアフリー対応を徹底しています。また、車両情報監視・分析システム(TIMA)でのモニタリング機能、脱線検知装置の搭載、防犯カメラ設置など、安心・安全を追求した車両です。
ローレル賞の選定理由として、得票数も多く、サービス設備や搭載機器のレベルアップを積み重ねた点や、2系列を基本仕様の共通化による取扱い、メンテナンスの共通化を最大化するとともに、投入線区の独自性の両面を実現したことを評価したとしています。
■ローレル賞「京阪電気鉄道3850形電車」
また、同時受賞の「京阪電気鉄道3850形電車」は座席指定サービスの増強を目指し、特別車両として新造された3850形「プレミアムカー」として、2021年1月に運用を開始した車両です。塗色は「紺(エレガント・ブルー)」を基調に、特別車両のエントランスとしての存在感をより際立たせる「金」を扉周りに配しています。車内は1x2列の3列座席でゆったりとした空間です。
受賞の理由は、転換クロスシートを備え、時代に呼応した幾多の細やかなサービスを提供する京阪特急。その系譜を引き継ぎ、風雅な趣のある3850形プレミアムカーは、通勤・観光のあらゆるシーンにおいて、瀟洒で心地よい移動空間を楽しむことができる完成度の高さを評価したとしています。
鉄道ファンの視点から賞を授与するブルーリボン賞は1958年から、ローレル賞は1961年からスタートしました。ノミネートされる車両は、選考委員会が選んだ候補車両に対し、鉄道友の会の会員が投票、この投票結果に基づき「最優秀」と認めた車両をブルーリボン賞に選定します。また、ローレル賞は会員の投票結果を参考に、選考委員会が審議して優秀と認めた車両を選定します。
2022年は「JR東日本E131系電車 0番台・500番台」「東武鉄道12系客車 オハテ12形客車」「東京メトロ17000系電車・18000系電車」「京浜急行電鉄1000形電車1890番台」「京阪電気鉄道3850形電車」の全5種がノミネートされていました。
