相模鉄道、東急電鉄、鉄道・運輸機構(JRTT)は、2022年11月24日(木)、来年3月に開業を予定する「相鉄・東急直通線(神奈川東部方面線)」のダイヤについて発表しました。併せて、新駅となる「新横浜駅」を報道陣に公開しました。
会場の新横浜駅コンコースでは、JRTT東京支社 弘中副支社長、相鉄運輸車両部 小澤計画課長、東急鉄道事業本部運輸部運輸計画課 脇田課長が出席。新駅と各社のダイヤ概要について説明しました。その後行われたフォトセッションでは、JRTT新横浜鉄道建築建設所 早崎所長、相鉄羽沢横浜国大駅 丸山駅長、東急日吉駅 金子駅長と、相鉄広報担当 そうにゃん、東急キャラクター のるるんが登壇。全員が手をつなぎ、“ひとつに繋がる”相鉄・東急直通線を表現しました。
新たに開業する相鉄・東急直通線(神奈川東部方面線)は相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大駅から東急線の日吉駅までの約10kmを結ぶ連絡線。路線は、相鉄線内の新横浜〜羽沢横浜国大間(約4.2km)が「相鉄新横浜線」、東急線内の日吉〜新横浜間(約5.8km)が「東急新横浜線」です。(相鉄新横浜線 西谷〜羽沢横浜国大間については2019年11月の相鉄・JR 直通 線開業時に営業運転を開始しています)
今回発表された各社のおもな運転概要・ポイントは以下です。
■相鉄新横浜線「新ダイヤ」の主なポイント
①一部の列車を除き、相鉄本線から東急目黒線方面へ、相鉄いずみ野線から東急東横線方面へ直通運転
②西谷駅始発の横浜駅行き、および横浜駅発西谷駅行きの設定
③相鉄いずみ野線内の特急列車の運行を再開(東急線直通列車で設定)
④相鉄いずみ野線の快速列車、相鉄本線の特急列車の運行時間帯を拡大
相鉄新横浜は、1日の運行本数が約100往復(上下約200本)とし、その他に新横浜駅行き、新横浜駅始発の列車も運行。新横浜駅始発の設定により、東海道新幹線下車後に利用する際も、着席できる機会が増えそうです。大きな荷物を持っていても安心です。
平日朝ラッシュ時間帯の最多本数は11本/時、(本線4本、いずみ野線7本)。このほかの日中時間帯以降は、4〜8本/時(片道)を予定しています。また、使用車両については、東急東横線直通用の20000系10両編成と、東急目黒線直通用の21000系8両編成です。直通運転により、本線 海老名~目黒間の最速達列車は53分、いずみの線 湘南台~渋谷間の最速達列車は51分と、都心へのアクセスが大幅に短縮されます。
■東急新横浜線「新ダイヤ」の主なポイント
①東急線内から東海道新幹線へのアクセス強化
②東急新横浜線を走行する全列車が東横線または目黒線と直通
③東急新横浜線から東横線へ直通する列車はすべて急行で運行、目黒線へ直通する列車は急行、各停で運行
④東急新横浜線内の全列車が新横浜駅、新綱島駅に停車
東急新横浜線では、平日朝ラッシュ時間帯に最大16本/時の列車を運行します。そのうち4本が東横線へ、12本が目黒線へ直通します。目黒線へ直通する12本のうち最大5本は、新横浜駅始発となります。東横線では、菊名駅始発の各停4本/時を、東急新横浜線と直通する急行へ変更。目黒線では、急行の各停追い越し駅を原則として武蔵小山駅から奥沢駅へ変更、急行の日吉~目黒間の所要時間を22分から20分と、2分短縮します。さらに奥沢駅、武蔵小山駅の両方で各停を追い越すことで日吉~目黒間の所要時間を最大で5分短縮となる急行6本を設定予定です。
日中時間帯のダイヤについては、東急新横浜線では、6本/時の列車を運行。そのうち2本が東横線へ、4本が目黒線へ直通します。目黒線へ直通する4本のうち2本は、新横浜駅始発となります。
東急では、すでに、ワンマン運転を実施している目黒線から直通する東急新横浜線にもワンマン運転を拡大。さらに、東急新横浜線開業にあわせ、直通する東横線でも全線でワンマン運転を実施予定です。
なお、東急線渋谷・目黒で接続する東京メトロや都営などの直通運転については、現在各社局とダイヤ等の最終調整を実施しているとし、改めて発表予定とのこと。
報道公開日には、11月3日から開始している相鉄と東急の2社による乗務員の習熟運転も公開されました。初めに東横線用の10両編成 東急5000系「4110編成」ヒカリエラッピングが入線。続いて、目黒線用の8両編成 東急3000系「3109編成」が入線し、新横浜駅で折り返して再び東急新横浜線内へ向かいました。その後、10両編成 相鉄20000系「20107編成」が登場。この車両は、東横線へ直通します。
また、今回開業する相鉄新横浜線・東急新横浜線「新横浜駅」は、相鉄と東急が共同で管理・運営を行う「共同使用駅」となります。新横浜駅に設置される改札口は2つあり、羽沢横浜国大駅寄りの南改札を相鉄が、新綱島駅寄りの北改札を東急が運営します。
正式な開業日は未発表ですが、2023年春には、神奈川県央地域と横浜市西部から東京・埼玉まで広域な首都圏ネットワークが形成されます。さらに東海道新幹線への接続も増え、ますます他社線を越えての移動が便利になりそうです。