実物見るなら今しかない!ギンザタナカで「純金製1号機関車」展示 本気の製作秘話とは?

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ギンザタナカ 銀座本店に展示している「純金製1号機関車」

©レイルラボ ニュース

“鉄道開業150年”で盛り上がった2022年。各地でさまざまなイベントが開催されたり、記念グッズなども販売されました。数ある商品の中でも、ひときわ異彩を放っていた商品が一点。それが「純金製1号機関車」です。JR東日本が5月に発売を発表し各所で話題となったのも記憶に新しいのではないでしょうか。驚くのはそのお値段、なんと1,500万円。純金重量は2両の合計で約500gです。12月19日現在の金の価格は1gあたり8,573円、換算すると約428万円で、金の価値からすると、割高に思えるかもしれません。しかし、そこには「純金製1号機関車」に携わった多くの汗と涙の結晶が詰まっていました。今回、製作を担当した田中貴金属ジュエリーと、販売企画を担当したJR東日本クロスステーションの担当者を取材、完成までの製作秘話を伺いました。

今回の企画が立ち上がったのは、2021年9月。新橋〜横浜間の鉄道開業に際し、イギリスから輸入された国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」の模型の製作が、鉄道博物館の監修のもとでスタートしました。まず取り掛かるのは、設計図から型を作成する作業ですが、「1号機関車」は海外製造のため設計図が存在しません。このため、鉄道博物館の学芸員総出で、さまざまな角度から写真を撮影、膨大なカットをひとつひとつ組み合わせながらモデリングを行いました。

ニュース画像 1枚目:鉄道博物館展示の 国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」(さんたかさん 2020年06月18日撮影)
鉄道博物館展示の 国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」(さんたかさん 2020年06月18日撮影)

©さんたかさん

設計図が完成すると、今度は金を型に流し込む作業行程へ。通常なら単純に流し込むだけで良いのですが、煙突や動輪など、細かなパーツは、それぞれ別型で作業を行ったそうで、その型の数たるや、なんと66パーツにまで及んだそう。まるでプラモデルのように純金を組み立てていく行程は、まさに至難の技。学芸員こだわりのポイントである手すりなどは、ミリ単位の棒状のため、少しの力で折れてしまうほど繊細な細さです。また、車体側面の車両銘板もはっきりと刻印されています。こうして組み立てられた「1号機関車」は純銀の台車がつけられ、見事レールの上へ収まりました。通常なら、商品は鑑賞用のため、レールと本体はボルト等で固定されていますが、「1号機関車」は実際に手にとって“重み”を感じ取ってもらえるよう、外された状態で置かれています。サイズはNゲージよりも大きく、HOゲージよりも小さなJR東日本の完全オリジナルサイズです。

ニュース画像 2枚目:手すりや銘板など細かな部分まで精巧に再現されています
手すりや銘板など細かな部分まで精巧に再現されています

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ニュース画像 3枚目:「純金製1号機関車」正面
「純金製1号機関車」正面

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商品は発売開始後、9月にさいたま市大宮区の「鉄道博物館」に収蔵されている国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」の横で展示。公開時は多くの来場者が訪れ、本物の機関車とともに、精巧な技術で製作された商品をじっくりと鑑賞していたそうです。また、展示終了後、同博物館を離れる際には、監修に携わった学芸員などスタッフ一同がお見送りを行ってくれたとのことです。

12月16日からは、製作を担当した田中貴金属ジュエリーの直営店「ギンザタナカ 銀座本店」で展示がスタート。当日は、ニュースを見て訪れた人や、たまたま来店した人などが足を止め、その美しさに見惚れていました。

今回の企画を担当したのは、田中貴金属ジュエリー 松浦氏と、JR東日本クロスステーションの遠藤氏・村上氏。3人は2021年3月に発売した「純金製 185系」の製作も担当した“勝手知ったる”チームです。「鉄道開業150年」という大きな節目に再び集結し、中途半端なものは作れないという強い想いに動かされた多くの関係者の汗と涙の結晶が完成しました。

田中貴金属ジュエリー 松浦氏は、「モデリングから製造まですべて東京都内で行ったまさに純国産。よくある金の模型とは全く異なる。徹底的にリアルにこだわり、貴金属品を越え、工芸品アートまでどこまで昇華できるのかを追求した結果がこの『純金製1号機関車』です。」と、熱い思いを語っていました。

ニュース画像 4枚目:製造元 田中貴金属ジュエリー 松浦氏
製造元 田中貴金属ジュエリー 松浦氏

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販売元のJR東日本クロスステーションでは、商品をお客様へお届けする際は直接出向いてお渡ししているといいます。購入者はもちろん、これまで展示してきた鉄道博物館、そして今回筆者が訪れたギンザタナカ 銀座本店でも、直接見に来られた方の感動する姿がとても印象的でした。

「鉄道開業150年」という年でなかったら絶対に成し遂げげられなかった「純金製1号機関車」。ギンザタナカ 銀座本店では年内12月30日(金)まで展示しています。販売はオンラインショップ「GENERAL STORE RAILYARD(JREMALL 店)」で2023年3月31日まで。なお、これ以降の展示予定等は未定とのこと。この機会を逃したらなかなかチャンスがないかもしれない“一見の価値”ある芸術作品、銀ブラの際にぜひ間近でご覧になってみてはいかがでしょうか?

ニュース画像 5枚目:ギンザタナカ 銀座本店での展示は12月30日まで
ギンザタナカ 銀座本店での展示は12月30日まで

©田中貴金属ジュエリー

  • ニュース画像:ギンザタナカ 銀座本店に展示している「純金製1号機関車」

    ギンザタナカ 銀座本店に展示している「純金製1号機関車」

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  • ニュース画像:手すりや銘板など細かな部分まで精巧に再現されています

    手すりや銘板など細かな部分まで精巧に再現されています

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  • ニュース画像:鉄道博物館展示の 国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」(さんたかさん 2020年06月18日撮影)

    鉄道博物館展示の 国鉄150形蒸気機関車「1号機関車」(さんたかさん 2020年06月18日撮影)

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  • ニュース画像:「純金製1号機関車」正面

    「純金製1号機関車」正面

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  • ニュース画像:製造元 田中貴金属ジュエリー 松浦氏

    製造元 田中貴金属ジュエリー 松浦氏

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  • ニュース画像:ギンザタナカ 銀座本店での展示は12月30日まで

    ギンザタナカ 銀座本店での展示は12月30日まで

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