東海道新幹線、周波数変換装置を「静止型」に統一へ 省エネ&省メンテ実現

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JR東海は2023年5月24日(水)、東海道新幹線で使用している周波数変換装置(FC)について、これまで「回転型」「静止型」の2種類あったものを「静止型」に統一します。新たな技術開発により、実現が困難だったFCの統一で省エネ化、省メンテナンス化を実現。工事費は約268億円、「静止型」化の完了については2037年度末の予定です。

現在の東海道新幹線の周波数変換装置は、全線にわたって周波数60Hzの電気によって列車を走行させています。周波数が50Hzである富士川以東の地域では、電力会社から受電した電気を変換させるため、2種類のFCが用いられます。

「回転型」のFCは、架線の地絡等による瞬間的な大電流やダイヤ乱れ等による過負荷が発生しても電力供給を継続できる一方、稼働時のエネルギーロスが大きくなるデメリットがありました。一方、「静止型」のFCは省エネルギー性や省メンテナンス性に優れますが、瞬間的な大電流や過負荷が発生すると、機器の保護のために自動的に電力供給を停止するデメリットがあります。

今回、JR東海では、地絡等が発生した際でも「静止型」を制御して該当する回線の電圧を急激に下げ、電流を抑制する技術を開発。また、ダイヤ乱れ等で列車が集中する場合、過負荷の発生を事前に予測し、回避するために必要な加速制限を自動的に算出する技術も開発。

新技術の導入で、年間約4千万KWhの電気使用量、年間約2万tのCO2排出量を削減できる見込みで、カーボンニュートラルに向けた効果が期待できるとしています。また、「回転型」のFCと比較して「静止型」のFCは可動部分が少なく構成部品も少ないため、メンテナンスの省力化が見込めます。将来、労働力人口が減少していく中でも、 メンテナンス体制を維持しやすくなるとしています。

同社は、省エネ化、省メンテナンス化により年間約9.8億円のコスト削減を見込んでいます。

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新たな技術開発の内容

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