西武鉄道は、2023年6月3日に「西武・電車フェスタ2023 in 武蔵丘車両検修場」を開催しました。コロナ禍明けとなる今年は、完全事前申込制ではあるものの、参加者が昨年の5,000人を上回る10,000人とし、以前のような活気がもどった大盛況のイベントとなりました。
イベントは、秩父線 高麗駅が最寄りの埼玉県日高市台にある同社最大の車両検修施設である「武蔵丘車両検修場」にて開催。前日まで降り続いていた大雨が心配されましたが、開催時間前には止み、幸運にも日差しが差し込むほどの天候に恵まれました。
当日は、会場へ直通乗り入れする2種のツアー列車も運行。2000系「西武鉄道創立110周年記念トレイン」使用の「2069Fで行く!西武・電車フェスタ直通ツアー」は、満員の188名。豊島園駅から出発した10000系車両使用の「特急レッドアロー号で行く!親子で西武・電車フェスタ直通ツアー」は、61組が乗車。どちらも通常運行しない行路で運行されたほか、「団体専用」の貴重な表示に、会場で迎える多くの参加者が写真に収めていました。
会場では、大型保線機械「マルチプルタイタンパー(マルタイ)」など、2年ぶりの保守用車両展示や、モーター、車輪、完成台車、床下機器を展示。また、作業映像の公開、車輪に台車を被せる作業の実演、車両機器の操作体験、トラバーサー乗車体験、非常通報装置取扱い体験、ミニ電車乗車体験、お子さま制服撮影会なども実施。さらに、西武をはじめとしたさまざまな鉄道会社のグッズ販売や鉄道部品販売も行われ、参加者の思い思いに楽しむ姿が印象的でした。
今回の見どころは、新たな塗装ブースの展示と3年ぶりに開催されたステージイベント。「CAB-747」と呼ばれる塗装・乾燥ブースは、車両を入れて上下流プッシュプル型塗装・乾燥作業を行うもの。天井から空気を送り出し床ピットに吸い込むことで、安全で快適な作業環境が整うほか、従来よりも乾燥時間が短縮。1つの施設で塗装・乾燥作業が行えることから業務が効率化されるとのことです。同ブースはまだ使用前とのことで、今回特別にイベントで公開され、参加者もこの貴重な機会に、スタッフへたくさん質問をしていました。
ステージイベントでは、タレント 立川真司さんによるものまねライブ、女子鉄アナウンサー 久野知美さん&スギテツ 杉浦哲郎さんによるトークライブ、出展鉄道会社の紹介コーナーを開催。観客席は満員になるほどの賑わいを見せ、会場は多くの笑顔にあふれていました。西武鉄道の特急ラビュー(001系)の車内放送等を行う久野さんの生アナウンスに、小さな子どもたちも「聞いたことある!」と興奮した様子で楽しんでいました。
イベントには多くのキッチンカーも出店し、大勢の人が青空の下でピクニック気分で食事を楽しんだり、家族で2000系のミニ電車に乗車する嬉しそうな子どもたちの笑顔が見られました。“休日を思い切り楽しむ”という、日常が戻ってきたことを切に体感した1日でした。