大阪モノレール、大阪府北部地震の被災状況と今後の対策を公表

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車両の損傷状況

©大阪高速鉄道

大阪モノレールを運営する大阪高速鉄道は2019年3月13日(水)、2018年6月に発生した大阪府北部地震による被災状況と、今後の対応についてまとめた検証報告書を公表しました。

この報告書は、2018年8月8日(水)から2019年3月11日(月)までの期間に3回開催された「大阪府北部地震大阪モノレール被災検証委員会」の委員から専門的な見地からから意見を受けながら、被災箇所の検証や耐震力の強化方策などを検討したものです。委員は学識経験者や関係行政機関の関係者などで構成されます。

大阪府北部地震は、2018年6月18日(月)7時58分頃に発生、地震の規模はマグニチュード6.1でした。同社または沿線自治体が設置してる9カ所の地震計では、震度6から震度4の揺れを観測、最大加速度は682galから180galを計測、最も震源に近い万博指令所では、震度6、682galでした。当時運行していた列車は18本で、緊急停車させるとともに、運転指令では通電・通信状況と各列車の被災状況を確認、通電していることが確認できたことから、駅間に停車した10列車を最徐行まで最寄駅まで移動させ、8時50分までにすべての乗客に避難を完了させています。

施設点検を行うと、軌道桁・支柱等の土木構造物の関しては、⼤きな被害は確認されなかったものの、⾞両や電気・機械設備は営業運⾏を再開するには多くの損傷が発⽣していることが判明しています。なお、朝のラッシュ時に発生したことから、運行中の⾞両が多く、駅での停⾞⾞両が障害となり、点検完了までに⻑時間を要する事態が発生、6月20日(木)の始発以降、点検・修繕が完了した区間から、順次、運⾏を再開し、6月23日(土)には全線で運⾏を再開します。しかし、6月24日(日)に車両不具合を発見、全⾞両の緊急点検を行うため再度の運⾏停⽌という事態になりました。6月25日(月)となり、点検・修繕が完了した車両から順次運行を再開、平常ダイヤに戻ったのは6月30日(土)の始発からでした。

被害状況は、安定輪補助輪取付ボルトが破断した車両が1編成、桁端部のコンクリート剥離した軌道が161カ所、ロックシリンダの鎖錠不良が発生した分岐器が9カ所、碍⼦の破損が24カ所、エスカレータ端部のせり上がりが確認された場所が8カ所などです。また、施設の点検や修繕を⾏う工作⾞と営業車両が同じ軌道を⾛⾏することから、工作⾞による点検・修繕と駅に停⾞した営業⾞両の移動を繰り返す必要が作業が発生、この一連の作業に手間取り、全車両を車庫に回送するまで、5日間を要しています。

検証委員会では、耐震性の強化・安全性の向上、早期復旧に向けた仕組みづくり、効率的な点検方法を検証・検討するほか、分岐器、⾞両、電気、駅舎の各施設ごとの被災状況の検証と対策を例示、効率的な点検方法をまとめています。今後は、2023年度までの5年間を目途に完了できるように計画的に取り組み、分岐器・分岐端、車両、電気、駅舎、点検の各分野ごとの対策や運用を開始していくとのことです。

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