世界初!新幹線と地上間の通信速度が750倍に 鉄道総研などが開発

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実証実験システムの構成

©鉄道総合技術研究所

鉄道総合技術研究所、日立国際電気、情報通信研究機構(NICT)の3者は、2019年1月29日(火)に時速240キロメートルで走行する列車と地上の間で、現行の新幹線などの高速鉄道で利用されている対列車通信システムの750倍となる大容量データ伝送実験に成功したと発表しました、今回の実験は、900ギガヘルツ帯のミリ波を使ったシステムで、「世界初」の技術としています。

具体的には、北陸新幹線の富山~金沢間の地上機器室に中央制御装置、線路脇の約2キロメートルの区間に地上無線局を4局、列車の後部運転席内に車上無線局を設置し、伝送試験を行いました。

地上無線局は光ファイバで中央制御装置に接続されており、ファイバ無線ネットワーク(RoF: Radio over Fiber)を経由して列車を自動追尾し、必要最小限の電波放射で安定した高速通信を維持しました。これにより、高速走行中の列車と中央制御装置との間では、毎秒1.5キロメガビッドの大容量データ通信が維持されています。

従来の技術では、基地局を次々と切り替えていくハードオーバーが頻繁に必要なことから、実効的な通信速度を確保するのが困難であるという課題がありましたが、今回の実証実験の結果を踏まえ、実用化に至れば、高速走行する列車と地上の間で、映像のやり取りやクラウドシステムなどの高速通信環境が実現することになります。

今後は、今回基本技術を確立したミリ波通信とRoF技術を活用した高速鉄道システムに適した新しい無線通信システムを実用化するため、さらなる技術検討を行うほか、国際電気通信連合(ITU)において、今回の実験に用いた周波数帯を含む、92.0から109.5ギガヘルツの鉄道無線応用に関する国際標準化活動を進めていくとのことです。

また、鉄道・航空などインフラ向け電波システム海外展開を図るべく、国内外の共同研究機関と協力し積極的な展開に取り組んでいくとしています。

なお、今回の実験はJR西日本の協力を受け、鉄道総研、日立国際電気、NICT、海上・港湾・航空技術研究所、電子航法研究所の共同研究成果により実現しました。

期日: 2019/01/29から

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