鉄道総研、電車線検測・保全に関わるワークショップ 日中韓が参加

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ワークショップの様子

©鉄道総合技術研究所

鉄道総合技術研究所は2019年1月18日(金)、「電車線の検測・保全技術に関わる日中韓国際ワークショップ」を開催しました。

このワークショップは、電車線のモニタリング技術と保守に関する技術について、研究・実務の両面から開発の方向性を定めることを目的に開催されたものです。日本からは、鉄道総研のほかにJR東日本とJR西日本、中国からは中国鉄道科学研究院(CARS)と中国鉄路設計集団有限公司(CRDC)、韓国から韓国鉄道技術研究院(KRRI)と韓国鉄道公社(KORAIL)が参加しました。参加者は7社48名で、このうち中国からの3名はウェブ会議システムを利用して参加しています。

今回は、各国からの講演として、日本から「電車線のメンテナンス革新に向けた研究開発の取り組み状況」と「電車線に関わる最近のトラブル事象とその対策」についての2件、中国からは「高速鉄道用電力設備の設計の考え方」、「電力設備の効率的な運用・保守を行う同国内の統合マネジメントシステム『6C システム』を中核とする電車線の保守管理体系と検査方法」に関する3件、韓国からは「高速鉄道における集電性能の評価方法」、「KORAILにおける電車線の保守管理方法」に関する2件でした。

以上の講演を踏まえ、3カ国の高速鉄道の電車線モニタリング・保守に関する共通点と相違点がまとめられました。画像処理技術の活用による電車線の検査、保全の高度化、自動化は3カ国とも共通でしたが、カーボンすり板を使用している中国と韓国では、日本では行われていない地上カメラによるパンタグラフすり板の損傷常時監視が実施されていることがわかりました。

その後、鉄道総研の池田充電力技術研究部長の司会により、総合討論が行われ、電車線のモニタリング技術は、事故の早期発見を目的としたモニタリングの高度化と、保守の省力化を目的とした検査の自動化の2つの流れがあると整理されています。実現のためには、現場のデータ収集と解析が重要だとし、単一の研究機関または鉄道事業者だけで実施することは容易ではなく、複数の研究機関と鉄道事業者が協力して研究開発を進めることがきわめて有効な手段であると確認されています。

期日: 2019/01/18

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