JR西、地震対策の進捗状況を公表 早期警報システムを4月から運用

JR西日本は2019年3月19日(火)、地震対策に進捗状況とこれからの取組みについて公表しました。同社では1995年に発生した阪神淡路大震災以降、耐震補強対策、列車の線路からの逸脱防止対策、地震発生時の列車走行の安全確保を目的とした工事を順次進めたほか、2011年に発生した東日本大震災以降は、今後の発生が懸念される東海・東南海・南海地震に備え、地震・津波対策を進めてきました。

現在、実施している主な対策は、「耐震補強対策」、「早期地震検知体制の強化」、「新幹線の逸脱防止対策」の3点です。「耐震補強対策」は阪神淡路大震災以降、高架橋、落橋防止対策、トンネル、橋脚、鉄道駅の耐震工事を工事を進め、2019年3月時点で対策工事は完了しています。東日本大震災以降は東海・東南海・南海地震に備えるべく、耐震補強地域に岡山・広島エリアや紀勢線などを加えたほか、京阪神のアーバンエリアでは、高架橋柱、鋼製橋脚や盛土、駅舎などに対策範囲を広げました。これらの工事は、2012年度から開始し、2019年3月時点で計画の約5割が完了しています。

今後は残りの5割の工事を行うとともに、さらに対策範囲を広げ工事します。工事開始から30年以上を掛ける計画となっていますが、高架下のリニューアルなどに合わせて行うようにしたり、施工体制の強化を図ったりし、早期完了を目指します。なお、今後の耐震補強の工事費は約2,400億円で、これまでの実施費用にの約1,000億円と併せ、総額3,400億円となる見込みです。

「早期地震検知体制の強化」は、2017年10月30日に国立研究開発法人防災科学技術研究所との間で結んだ「地震・津波観測監視システム(DONET)の地震観測データの配信・利用に関する協定」を締結して以降、「早期地震検知警報システム」への導入に向けた整備を進めており、2019年4月16日(火)から運用が開始されます。これにより、山陽新幹線では、従来の海岸検知点での地震検知と比べ、最大を検知時間を約10秒短縮できます。

「新幹線の逸脱防止対策」は、山陽新幹線の線路内に「逸脱防止ガード」の整備を進めており、優先度が高い新大阪~姫路駅間は2015年12月までに完了しました。2016年からは2029年度までの整備完了を目指し、姫路以西の一部区間である約285キロメートルに対し工事が進められ、2019年3月時点で約1割が完了します。10年以上の工期計画ですが、専用機械を導入などを行い、早期完了を目指します。北陸新幹線は、「レール転倒防止装置」と、新幹線車両に「L型車両ガイド」を取り付けており、対策は完了しています。

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