JR東、地震対策の取組み状況 最新の知見を取り入れ対策補強

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JR東日本は2019年6月4日(火)、地震対策の取組み状況を公表しました。同社は、安全を経営のトッププライオリティと位置づけ、「究極の安全」に向け、災害によるリスク低減を進めています。

このうち、大規模地震の対応は、構造物が壊れないようにする「耐震補強対策」、走行中の列車を早く止める「列車緊急停止対策」、脱線後の被害を最小限にする「列車の線路からの逸脱防止対策」を過去の地震を教訓に3点を柱とし、各種対策に取り組んでいます。

「耐震補強対策」は、1995年に発生した阪神淡路大震災以降、高架橋柱・橋脚・駅舎などの補強を進めたものの、2011年に発生した東日本大震災で広範囲、かつ様々な構造物に被害を受けました。近い将来、首都直下地震の発生が想定されており、盛土や駅天井など重点的に進める補強計画を策定、取り組んでいます。2019年3月末現在、計画対策数の約95%が完了し、2024年3月完了を目指し、継続して対応します。

さらに、首都直下地震の想定震度が上昇したエリア、新たな活断層が顕在化などに、最新の知見を取り入れた対策を検討し、調査・設計が整ったものから順次、工事に着手しています。概ね10年程度で補強工事を進め、2029年3月末の完了を目ざしています。

対象設備は、新幹線が高架橋柱、橋脚、山岳トンネル覆工、電化柱のモルタル基礎などに加え、山岳トンネル路盤、桁支点部、電化柱の砂詰め基礎、ホーム上家などを追加しています。在来線は高架橋柱、橋脚、桁支点部、6メートル以上の盛土などに加え、4メートルから6メートルの盛土、送電鉄塔、ホーム、ホーム上家なども対応する計画です。

「列車緊急停止対策」は、防災科学技術研究所が整備する日本海溝海底地震津波観測網(S-net)を利用、2019年1月から本格的に新幹線早期地震検知システムに活用しています。さらに2022年度まで、地震情報の推定方法を改良し、新幹線の緊急停止警報の発報に要する時間を最短2秒から1秒へ短縮します。同様の仕組みは、在来線の導入も引き続き検討します。

「列車の線路からの逸脱防止対策」は、全新幹線車両にL型車両ガイドと、脱線対策用接着絶縁継目の設置が完了し、現在はレール転倒防止装置の整備を進めています。2009年度にスラブ軌道への敷設を皮切りに、2017年度からバラスト軌道、2018年度から弾性まくらぎ直結軌道を敷設しています。2019年3月末現在、新幹線全線2,243キロメートルのうち、894キロメートルの整備が完了しています。この対策は、2029年頃を完了目標としています。

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