くま川鉄道は8月10日(月・祝)、7月の豪雨被害で被災した全5両のうち、「KT-503」1両のエンジンが奇跡的に動いたと発表しました。これは、同日に開催された「超鉄道サミット@ニコニコネット超会議2020夏」に特別参加した同社の永江友二社長がコメントしました。
7月4日(土)の集中豪雨後、くま川鉄道は全区間で復旧の見通しが立たず、全線で運休しています。人吉温泉駅内に停車させていたKT-500形5両すべてに浸水が確認され、広範囲に被害が及んでいます。
このような状況の中、複数の鉄道会社から協力支援を受けています。鳥取県の若桜鉄道の車両整備支援により、全5両のうちKT-503形もエンジンが起動し、走行可能なことが確認されました。
KT-503形は2014年1月に製造されたクリーム色の「春」をテーマとした車両です。このほか、KT-501 「冬」、KT-502「秋」、KT-504「夏」、KT-505「白秋」の全5両が在籍しています。
現在、くま川鉄道は地元の足の再開に向け、復旧を目指し「全力を挙げて」さまざまな取り組みを進めています。8月4日(火)には、国が復旧費の97.5%を実質負担するため熊本県と沿線市町村が協議入りしています。また、全国から支援の声が寄せられ、その声を形にする寄付が始まっています。グッズ販売や被災支援企画きっぷセットも他の鉄道会社が代行する形で販売されており、支援の輪が広がっています。
「KT-503」奇跡の復活がくま川鉄道の再開に明るい光となりそうです。