京王、車内傷害事件受け全車両とホームへ防犯カメラ設置・ホームドア開放など

京王電鉄は2022年2月1日(火)、京王線布田駅~国領駅間を走行中の車内で発生した2021年10月の傷害事件を受け、課題の抽出と対応策について発表しました。対応策では、車内での凶悪な事件により、鉄道を利用することへの不安や心配を抱える利用者へ向け、状況把握と具体的な対策の実施済みも含め、5つの項目を挙げています。

1.車内や駅構内の非常時の早期状況把握

・車内防犯カメラをリアルタイム伝送機能を持つ仕様に変更して設置(2023年度末を目途に全車両への設置を完了予定)
・リアルタイム伝送機能を持つホーム上防犯カメラを、全駅へ設置(2023年度末までに完了予定)
・曲線ホーム等の一部の駅に設置の車掌が確認するモニターを、終日稼働(事件後に対応済)

2.非常時での車内の乗客の速やかな避難誘導

・列車走行中に、複数の車内非常通報装置が押され、内容が確認できない場合は、防護無線の発報等で他の列車を停止させる。また、車内の乗客に注意喚起放送を実施し、最寄駅に停車することを基本とする
・非常時に最寄駅へ緊急停車した際、ホームと列車のドアがずれている場合でも、ホームドアと列車ドアの双方を開け、乗客を安全に避難誘導することを基本とする
・上記の内容を全乗務員に周知する教育や訓練を実施(2021年12月以降順次実施)

3.想定外の事象発生への対応力強化

・事例に対する判断や具体的行動を訓練し、乗務員・駅係員・技術員等が自ら判断・行動できるよう、危機対応力の強化とスキルアップを図る

4.非常用設備の認知度向上

・ピクトグラムや、車内・駅構内でのモニター放映、駅貼りや車内の窓上ポスター等を活用した非常用設備等の認知度向上、乗客による操作への協力呼びかけを図る

5.同種事件の未然防止

・未然防止に向けた取組みとして、駅構内の巡回強化、有料座席指定列車「京王ライナー」や特急列車での警戒添乗の継続実施
・非常事態の発生を想定した警察との合同での訓練等を引き続き実施、沿線の各警察署とのより 一層の緊密な連携を図る
・危険物の持込み防止・警備強化に関する情報をポスター等で周知
・2021年11月22日付で、鉄道事業本部安全推進部に「鉄道テロ・災害対策 担当」新設

今回示された対応策を着実に実施し、テロ・暴漢への抑止力の向上と、万一の発生時に備えた乗客の被害回避・軽減の適応力を強化に取り組み、安心して京王線を利用できる環境づくりに取組むとしています。

もっと、詳しく見る!

ニュースURL

関連ジャンルニュース

このニュースの関連ジャンルのニュースを紹介しています。