福岡市交通局は、2016年11月8日(火)に発生した博多駅前の道路陥没事故現場で再開する予定の七隈線延伸工事について、「人工岩盤掘削」を採用すると発表しました。これは、事故後約1年間、渡り行われた、技術専門委員会での討議によって、決定されたものです。
この討議では、再掘削で採用する工法について、「開削工法」と「人工岩盤掘削」、「特殊シールド」の3工法が比較され、トンネル坑内に溜まっている水抜き作業なども含めて、安全に掘削ができるかどうかを検討し、審議されました。
開削工法は、施工する際に必要な土留壁施工時に,周辺の地盤に影響を及ぼす可能性があることや、大規模な土塁欠損が生じることから、採用が困難とされました。また、特殊シールドは、現場が複雑な地盤状況であることや、施工中に不安定な構造となる期間があること、また新技術で、未経験の工法であることから、積極的な採用は困難とされました。
一方、人工岩盤掘削では、懸念されるリスクを十分に配慮し、かつ現場の監視体制および大成JVと交通局の情報共有の強化を図ることで、安全に施工が可能できると判断されました。掘削は、従来のナトム工法と同様の方法で進められます。
再掘削の進め方として、まずは準備工事として地盤改良に着手し、その後トンネル坑内の水抜きや土砂撤去を進めます。水抜き後、事故以前にナトム工法で進める予定だった区間の再掘削を行います。なお福岡市では、今後も技術専門委員会を開催し、助言を最大限に活用していく計画です。
詳しくは、福岡市交通局のウェブサイトを参照ください。