JR西日本木次線で運行している観光列車「奥出雲おろち号」が、2023年11月23日(木・祝)に引退を迎えます。1998年4月から運行を開始し、神話の舞台となった山陰・奥出雲の地で約25年間活躍しました。引退を前に、これまでの活躍を美しい写真と共に振り返ります。
「奥出雲おろち号」は、青と白のDE10形ディーゼル機関車(DE10-1161)と12系客車のトロッコ2両(スハフ12-801、スハフ13-801)からなる列車(2023年現在)。日本神話に登場する「ヤマタノオロチ」伝説の舞台としても有名な木次~備後落合間のおよそ60kmを1日1往復運転しています(一部日程除く)。
木次線は、全国的にも珍しい3段式スイッチバックが設置されていることでも有名です。また、車窓には、日本最大規模の二重ループ方式で高低差約100mを駆け上がるための道路「奥出雲おろちループ」も望めます。新緑や紅葉など、風光明媚な路線を走り抜ける「奥出雲おろち号」は、乗車するだけでなく、周りの景色と共に写真に収める鉄道ファンも多く訪れます。
今回の引退については、JR西日本が2021年6月に発表。廃止の理由として、トロッコ列車に使用している12系車両が製造から約50年を経過し、老朽化が進んでいることとしています。
11月13日現在、紅葉の見頃を迎えている木次線。美しい日本の原風景を走り抜ける「奥出雲おろち号」の姿を見られるのも、あとわずかです。