芦ノ湖に“公園”浮かぶ!鉄道車両手がける川西康之、渾身の遊覧船「SORAKAZE」

ニュース画像:川西康之渾身の力作「箱根遊船 SORAKAZE」 - 「芦ノ湖に“公園”浮かぶ!鉄道車両手がける川西康之、渾身の遊覧船「SORAKAZE」」
川西康之渾身の力作「箱根遊船 SORAKAZE」

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富士山麓電気鉄道などを子会社に持つ富士急グループが運航する遊覧船、「箱根遊船 SORAKAZE(そらかぜ)」をご存知ですか?レイルラボは、新緑が深まる2024年6月初旬、同グループが開催したプレスツアーに参加。この船を手掛けたのは、数々の鉄道車両をはじめモビリティデザインを担当する川西康之氏です。今回は、川西氏とともに乗船した様子をレポートします。

「箱根遊船 SORAKAZE」は、2月23日(富士山の日)に箱根・芦ノ湖でデビュー。四季折々の表情を見せる芦ノ湖の景色を楽しむ“箱根を遊ぶ船”として登場しました。デザインは、えちごトキめき鉄道の観光列車「雪月花」や、JR西日本「WEST EXPRESS 銀河」、新型やくも「273系」などの名だたる列車たちを手がけてきたイチバンセン代表取締役 川西康之氏によるもの。コンセプトは“箱根・芦ノ湖に浮かぶ緑の公園”。同じ湖上で運航する小田急箱根の「箱根海賊船」とは一線を画す乗り物として誕生しました。

ニュース画像 1枚目:川西氏がデザインしたトキ鉄「雪月花」
川西氏がデザインしたトキ鉄「雪月花」

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ニュース画像 2枚目:デザイナー 川西康之氏
デザイナー 川西康之氏

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ニュース画像 3枚目:手前「SORAKAZE」、奥が「箱根海賊船」
手前「SORAKAZE」、奥が「箱根海賊船」

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「SORAKAZE」は、新造船ではなく1980年代に製造された「はこね丸」を改造したもの。双胴船(そうどうせん)と呼ばれる2艘(そう)の船を並べた形により安定性が保たれる形状。船内は1階から4階の構造で、3階・4階は穏やかな芦ノ湖を一面に見渡せるデッキに。また、これまでの定員を700名から550名まで減らし、船内にはゆとりのある空間が広がります。なお、製造から40年以上が経過しているものの、潮風などない淡水湖ということから劣化も少なく、まだまだ現役で活躍できるとのことです。

ニュース画像 4枚目:同時期に製造の「十国丸」と「あしのこ丸」
同時期に製造の「十国丸」と「あしのこ丸」

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川西氏の掲げたテーマは、「楽しい遊びの喜びを追求すること」「ここにしかない感動を追求すること」「富士と芦ノ湖の自然と風景を尊重すること」。箱根は、リピーターも多い観光地ですが、意外と小さな子供どもたちが遊べるような場所が少ないことを挙げた川西氏。そこで船内には、あたかも公園のように、芝生や緑のカーテン、ブランコ、デッキなど、さまざまな仕掛けが用意されました。

ニュース画像 5枚目:大きな窓からは「操舵室」が見渡せます
大きな窓からは「操舵室」が見渡せます

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ニュース画像 6枚目:「箱根遊船 SORAKAZE」船内の階段
「箱根遊船 SORAKAZE」船内の階段

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ニュース画像 7枚目:開放的な船内の様子 さまざまな座席が
開放的な船内の様子 さまざまな座席が

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船内の椅子やテーブルには、ふんだんに木材が使用されており、温かみを感じられる空間がそこかしこに広がります。前述した芝生や緑のカーテンも人工ではなく、本物の植物を採用するというこだわりよう。実は、富士箱根伊豆国立公園内ということもあり、リニューアルに際しては、難しい点もあったとか。芦ノ湖は、他へ流れ出る川のない、湧き水でできた湖のため、船のペンキを塗り替える際も1滴たりとも落とすことが許されず、作業は大変だったそう。また、芝生なども、人工芝を使用すればたちまちゴミとなって湖へ落としてしまうことから、天然芝・蔦を使用。今後は季節ごとに、花なども植栽される予定です。

ニュース画像 8枚目:天井にも「富士山」が!
天井にも「富士山」が!

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ニュース画像 9枚目:天然の緑のカーテンが気持ちいいです
天然の緑のカーテンが気持ちいいです

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ニュース画像 10枚目:湖の水を利用した天然芝
湖の水を利用した天然芝

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天然の植栽に、照明もエアコンもない極めて「エコ」な「SORAKAZE」は、まさに“湖上の公園”そのもの。風を感じながら船内限定の飲食メニューを味わう人、靴を脱いで寝転ぶ人、愛犬とともに散歩する人、童心に帰りブランコを楽しむ人。川西氏は、みんな同じ方向を向いて座っているだけのこれまでの遊覧船とは異なり、自然と回遊し、乗るたびに新しい発見・お気に入りの場所を発見して欲しいと語りました。

ニュース画像 11枚目:SORAKAZEの魅力を語る川西氏と久野知美氏 久野氏の密着旅については改めて!
SORAKAZEの魅力を語る川西氏と久野知美氏 久野氏の密着旅については改めて!

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ニュース画像 12枚目:船内限定のお土産
船内限定のお土産

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ニュース画像 13枚目:芦ノ湖へ飛び出しそうな「ブランコ」
芦ノ湖へ飛び出しそうな「ブランコ」

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ニュース画像 14枚目:新緑と湖上の風が爽やかです!
新緑と湖上の風が爽やかです!

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ニュース画像 15枚目:ペットものびのび!まるで湖上の公園そのもの
ペットものびのび!まるで湖上の公園そのもの

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富士山への感謝と環境保全を真っ先に掲げる富士急グループの“富士山ファースト”精神がしっかり詰まったフラッグシップ「SORAKAZE」。鉄道車両でも地域ごとの特色を表現、さらに痒いところに手の届く細かな技や仕掛けを提供してきた川西氏の新たな作品をぜひとも体感してみてはいかがでしょうか。

ニュース画像 16枚目:水引をイメージしたデザインがかわいい「箱根遊船 SORAKAZE」
水引をイメージしたデザインがかわいい「箱根遊船 SORAKAZE」

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ニュース画像 17枚目:「箱根遊船 SORAKAZE」
「箱根遊船 SORAKAZE」

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◾️「箱根遊船 SORAKAZE」
・コース:40分周遊コース(関所跡港〜元箱根港〜箱根園港〜関所跡港 約11.4km)各港で乗船下船可能
・運航時間:09:20〜16:30
・乗船料 周遊航路(往復)の場合 :大人(中学生以上)1,800円、子ども(小学生)900円
※片道・区間料金もあり

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