2024年春、北陸新幹線の金沢〜敦賀間が延伸・開業します。福井県には、芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅の4駅と敦賀車両基地が設置されます。同県は現在、県内に設置される3つの駅と敦賀車両基地の建設現場の公開を県民限定で実施しています。2021年9月19日(日)、北陸新幹線初のひらがなを採用した「越前たけふ駅」の見学会が開催されました。外観には「越前瓦(かわら)」を使用する和モダンな駅舎の全貌をご紹介します。
JR西日本「越前たけふ駅」は福井県越前市大屋町に所在し、金沢方面の福井駅と大阪方面の敦賀駅間に設置されます。新駅は在来線との乗り換えのない単独駅となります。最寄駅は約3キロ離れた位置に、JR西日本北陸本線の「武生駅」と福井鉄道福武線の「越前武生駅」です。福井鉄道の「越前武生駅」は、新駅の「越前たけふ駅」と駅名が重複するため、2021年5月に駅名の改称を決定しています。
駅舎は、「コウノトリが飛翔する未来への道標となる駅」がコンセプト。2面2線の相対式ホームで、中央の2線が通過線です。ホームの全長は312m(メートル)で12両編成に対応しています。駅舎の外観デザインはモノトーンを基調に、ブラックの「越前瓦(かわら)」を壁に貼り付けた珍しいデザインです。内装は、越前和紙の技法「流し漉き」のうごきを表現し、地元の伝統工芸品を取り入れた落ち着いた作りとなる予定です。
9月19日(日)に開催された見学会はコロナ禍での開催のため、1回100名を5回に分けて実施しました。参加者は地元越前市の住民が多数を占め、家族連れやグループなど子供から80代の方まで幅広い世代が参加しました。
参加者は、県の担当者から新駅の進捗状況や概要などの説明を熱心に聞き入り、多くの質問が飛び交い、地元の新幹線駅設置への期待が伺えました。このほか、クイズラリーも開催され「新幹線12両編成の長さはどのくらい?」「北陸新幹線、敦賀まで開業すると全部で何駅になる?」「新幹線と車が並んで走る橋りょうは何川を通過する?」という問題に家族連れで真剣に取り組んでいる姿が印象的でした。
「越前たけふ駅」は8月下旬に外観工事が完了し、現在は足場の撤去を実施しています。また、駅舎内では、内装・エスカレーター・電気工事等が行われています。全体的な工事の進捗率は72%(パーセント)と順調に進んでおり、2022年に建築工事を完了、2024年春に延伸開業の予定です。