JR東、近赤外線カメラやAIを使用した架線設備モニタリングの本格導入開始

ニュース画像:E491形  「East i-E」  2021年7月撮影 (鉄道寵愛会さん撮影) - 「JR東、近赤外線カメラやAIを使用した架線設備モニタリングの本格導入開始」
E491形 「East i-E」 2021年7月撮影 (鉄道寵愛会さん撮影)

©鉄道寵愛会さん

ICTなど先端技術を活用したスマートメンテナンスの導入を進めるJR東日本は2021年10月から、検査体系を「架線設備モニタリング」に全て移行、本格導入を開始しました。11月からは、AIによる自動判定の試行も開始。スマートメンテナンス業務の効率化を目指し、安全・安定輸送のさらなるレベルアップや将来の労働人口の減少を見据えた仕事の仕組みづくりに挑戦します。

同社は、検査の省力化と品質向上、働き方改革の推進を目指し、電気・軌道 総合検測車「East-i」搭載のカメラおよびセンサで取得した画像などのデータにより、トロリ線・ちょう架線・ハンガなどの架線設備検査「架線設備モニタリング」の導入を推進しています。これまで夜間に電力係員が至近距離から架線設備の状態を確認する検査を年1回実施してきました。

4月からはEast-i 搭載のセンサによるトロリ線の摩耗、高さ、偏位測定に加え、新たに 搭載したカメラにより架線設備を撮影し、電線や架線金具の状態を確認するシステムを、首都圏以外の在来線38線区、約5,500kmで導入。また、「架線設備モニタリング」で導入線区における検査業務の約1割を削減するなど、検査の省力化を図り、年4回の多頻度な設備確認を実現しています。

今後は輸送密度が高く、トロリ線を通過する列車本数が地方線区と比べて多い首都圏線区の約2,000kmでも、トロリ線測定の頻度や精度の検証を進め、カメラ撮影も含めたモニタリングの早期導入を目指します。

ニュース画像 1枚目:East iによる架線設備の検査の流れ
East iによる架線設備の検査の流れ

©JR東日本

さらに、AIによる自動判定の試行も開始。「モニタリングセンター」のオペレータによる画像スクリーニング業務の効率化を目指し、数量が多く検査に時間を要する架線金具の判定にディープラーニングを用いたAIによる自動判定を導入しました。10月にはシステムを実装し、11月から試行を開始しました。今後は架線設備モニタリングの導入エリア拡大を目指し、AIの判定精度向上に継続して取り組みます。

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